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アメリカの都市部の住宅事情に、新しいトレンドが生まれつつあります。そのトレンドとは、「スキップ・ジェネレーション」。親・子・孫と三世代が住むのではなく、一世代を飛ばして(スキップして)、孫と祖父母が同居する暮らし方です。
この暮らし方自体は昔からありましたが、黒人家庭でだけ多く見られ、その他の人種(白人やラテン人、アジア人)の家庭ではあまり見られなかったようです。それが、ここ数年の間に、人種問わず一般化しつつあります。
このトレンドの背景には、住宅価格や家賃の高騰により、若い世代が住居を見つけるのが困難になっている社会情勢があります。収入のない学生や給与の低い新社会人が、便利な都市部に安い家賃で住む手段が、祖父母との同居だったのです。
この暮らし方によって恩恵を受けるのは孫だけではありません。祖父母にも様々なメリットがあります。
まず、老化や疾病による生活の不便をカバーしてもらえること。孫たちは介護の専門家ではありませんが、歩くときに手を貸す、重い荷物を持つなど、日常のちょっとした手助けであれば問題なく行えます。
次に、孤独の解消。老年世代は徐々に交友関係が狭まっていく傾向にあり、夫婦だけ(あるいは単身)の暮らしに孤独を感じやすいとされます。そこに孫が加わることで、親族としての愛情を伝え合えるのはもちろん、世代間の違いが生活の刺激にもなります。孫からスマートフォンでの通話やSNS、オンラインショッピングなどについてレクチャーを受けることで、興味や交友関係が広がることもあるようです。
また、孫側も単に住宅費が浮くというだけでなく、祖父母から多くのことを学べます。その中には、生活の知恵や人生論のような一般的な話もあれば、家族の伝統の料理のレシピや一族のルーツのようなアイデンティティにかかわる話もあります。40~60歳ほどの年の差があることで、それぞれが相手にないものを提供し合えるのです。
不動産投資にどう影響するかという観点で見たとき、このトレンドは短期的にはそれほど大きな意味を持たないかもしれません。新しく家を売り買いしたり貸し借りしたりする話ではなく、祖父母が購入済みの物件をどう活用するかという話だからです。
ただ、住宅価格が高騰する都市部の若者人口減少を食い止めるという意味では、不動産市場を支える効果があるといえるかもしれません。若者たちが都市部に家を持てず、郊外に流出する状況が続くと、ゆくゆくは高齢化や空洞化につながるなど、さまざまな弊害が発生すると考えられます。しかし、今は自分で家を借りたり買ったりできない若者も、祖父母とともに過ごす期間に収入を上昇させ、貯蓄すればでいつかは住宅購入者や賃借人になることができます。長い目でみれば、「スキップ・ジェネレーション」は都市部の不動産市場崩壊を防ぐきっかけの1つになるかもしれませんね。
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