当メディアが昨年10月に公開した記事「中国の人口減少は、アメリカ不動産に何をもたらすか?」でもお伝えした通り、中国の人口は2022年をピークに減少に転じると予想されていました。
年が明けて2023年1月17日、中国国家統計局が2022年の人口統計を発表しました。公表されたデータによると、中国の2022年の人口は14億1,800万人で、2021年から85万人減少しているとのことです。つまり、人口のピークは2021年だったことにより、統計学者たちの予想よりも一年早く、人口減少がはじまったことを意味します。
出生率は、1,000人あたり6.77人(6.77‰)で過去最低の数字を記録。2021年の7.52‰から大きく減少していることが分かります。ちなみに2021年のアメリカの出生率は11.06‰で中国を大きく上回っており、インドにいたっては16.42‰を記録しています。中国における子どもの減少は著しく、少子高齢化が急速に進むことが懸念されています。
現在の人口減少は1979年から2016年まで行われていた一人っ子政策の影響が色濃いのはもちろん、コロナ禍の影響も大きいと指摘します。英経済誌「Economist」の調査部門の首席経済研究員を務めるユエ・スー氏は、「(コロナ禍による)若者の高い失業率と収入への悲観は、結婚と出産を遅らせ、新生児の数をさらに引き下げる可能性がある」と分析。
加えて、新型コロナウイルス感染による死亡者も増えているため、2023年の死亡率はパンデミック前よりも高くなる可能性が高いとも指摘します。2022年末にゼロコロナ政策を中止して以来、罹患者は増加傾向にあり、人口への影響はより大きくなるかもしれません。
子どもの減少と死亡者の増加が重なることで、人口減少が加速する中国。労働力の低下により経済活動の先細りにも注意が必要です。
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