2023年8月17日、中国の不動産大手・恒大集団がニューヨーク州南部地区の米国破産裁判所に破産申請を提出しました。
恒大集団は中国国内を中心に280以上の都市で1,300 以上の不動産プロジェクトを手掛け、かつては中国の不動産業界で第二位の規模を誇りました。また、電気自動車事業、ヘルスケア事業、テーマパーク事業など、不動産以外の事業も複数運営しており、中国経済において大きな存在感を放つ大企業です。
しかし、強引な資金調達を背景にした過剰投資が祟り、2021年以降に債務不履行に陥りました。同社の抱える負債は2022年末時点で、約3,400億ドルに達しています。今回提出されたのは、米国破産法第15章に基づく破産保護申請で、これにより同社の米国内資産は差し押さえを回避できます。今後は、米国外で債務再編に取り組みます。
3,400億ドルという負債額は、中国の国内総生産の約2%に相当します。その影響は不動産業界のみならず、中国経済全体に大きな影を落としています。
その一例が若者の失業率です。中国政府が毎月発表してきた16~24歳の失業率は、2018年には10%程度でしたが、パンデミックを経て徐々に上昇。23年に入ってからは6ヶ月連続で上昇し、6月には21.3%に達しました。7月の数字はさらに悪化すると予想されていましたが、中国政府は8月15日にデータ公開を一時停止することを発表。想定以上に悪い状況を隠そうという意図があるのではと指摘されています。
さらにSNS上では、以前のデータも恣意的なものであり、実態はすでに50%の若者が失業しているという声すらあります。真偽の程は分からないものの、若者の雇用が破壊されているのは間違いありません。この状況に、日本のバブル崩壊とその後の就職氷河期を重ねて考える投稿も散見され、悲観ムードが広まりつつあります。
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