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マッカーシー元議長解任後も混乱が続く米国下院

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.11.10

民主党に歩み寄ったつなぎ予算案が解任の引き金に

2023年10月3日、アメリカ議会下院でマッカーシー氏の議長解任を求める動議が提出され、賛成多数で可決されました。下院議長が解任されるのは米国史上初のできごとであるとともに、今後の下院の混乱が避けられないことから大きな話題となっています。

解任の引き金となったのは、マッカーシー氏が政府機関の閉鎖を防ぐために提出したつなぎ予算案です。民主党への歩み寄りを含んだ予算案により行政や警察などの政府サービスの停止を回避できたことを評価する声がある一方で、共和党内では提出直後から厳しい批判の声が上がっていました。

共和党221議席に対し民主党が212議席と拮抗するなか提出された今回の解任動議に賛成したのは、民主党議員208人と共和党議員8人の計216人。全433議席の過半数をかろうじて上回りました。賛成した共和党議員は、いずれも保守強硬派として知られる議員です。

後任議長人事は、共和党内の選出すらままならない状況

マッカーシー氏の解任により、現在アメリカ議会下院は議長不在の状態で、法案の議論は停止しています。議会機能を再開させるには、まず後任議長の就任が必要です。

後任候補に挙がったのは、マッカーシー氏体制のもとナンバー2を務めていた穏健派のスカリス氏と、保守強硬派のジョーダン氏。11日に行われた党内採決でスカリス氏が113票、ジョーダン氏が99票を獲得し、スカリス氏が代表に選出されました。しかし、翌12日にはスカリス氏が党内対立を理由に議長就任を断念すると発表。解任から1週間、議長選出は前進していません。

先日成立したつなぎ予算案の有効期限は11月17日で、それまでに正式な予算案(または再度のつなぎ予算案)を成立させる必要がありますが、まだそのための議論をはじめることすらできない状況。下院の、そして米国政府の混乱は長引きそうです。


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