2023年12月8日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が次期大統領選への立候補を表明しました。選挙は2024年3月15日から3月17日にかけて実施され、当選者は5月初旬に就任する予定です。プーチン氏は一次政権で2期、現政権で2期に渡り大統領を務めており、今回再選すれば5期目に突入します。
ウクライナとの戦争により国家財政に大きな打撃を与え、また人道的な観点から国外から厳しい批判を浴びているプーチン氏ですが、国民から支持の支持は依然として強いままです。ロシアの独立系世論調査財団(FOM)が12月7日に発表した世論調査によると、ロシア国民の約70%がプーチンはもう1期出馬するべきだと考えており、さらに15%は現職こそ辞すべきとしたものの政府の要職に就くことを求めています。プーチン氏が政治の表舞台から完全に去ることを求めている人はわずか8%でした。
現時点ですでにヨシフ・スターリン後のロシアで最も長く国家元首の座を占めているプーチン氏がさらに任期を伸ばす可能性が高く、権力が固定化されることへの懸念が高まっています。
そうした懸念を裏付けるのが、プーチン氏が11月に承認した、メディアの報道に関する新たな制限です。
カタールを拠点とするメディア「Al Jazeera」によると、中央選挙委員会の会合の報道は登録されたメディア機関に限定され、フリーランスや独立系のジャーナリストを排除する可能性があります。また、軍基地や戒厳令が敷かれた地域での委員会の行動に関しても、地域および軍当局からの事前の承認なしに報道することができなくなります。
さらに、2022年3月から閲覧が禁止されているFacebookやInstagramなどのWebサイトやサービスについても、閲覧妨害と違反罰則の強化が行われます。現在は、VPNサービスを利用して閲覧国を変更すれば利用できている状況ですが、それすらもブロックされる計画です。
これらの制限により、政府や軍部への反対意見を封じ込めることができるため、大統領選挙で有利に戦うためにこのタイミングで承認されたのではとの見方が濃厚です。
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