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ストラディヴァリウスとともに生きる。(ゲスト 中澤創太氏:第1回)

作成者: Discovery~賢者の習慣~ 編集部|2021.01.15

賢人たちを賢人たらしめている行動や考え方は。そして、大切にしている習慣は──。 インタビューを通じて、そんな共通点を探っていきます

ビジネスとしてのヴァイオリン

鎌田

ヴァイオリンは、“挺(ちょう)”という単位で数えるんですね。

中澤

“本”でもかまわないんですが。

鎌田

我々素人にとっては“挺”のほうが格好よく響きます。私は無粋で音楽の素養はないのですが、ストラディヴァリウスはさすがに知っています。

中澤

ヴァイオリニストの国際コンクールで、日本人以外のファイナリスト4人全員がストラディヴァリウスだったことがありました。このクラスになると演奏技術に大差はなく、楽器の違いが点数に跳ね返ってきます。日本人も相応のヴァイオリンを手に挑んだのですが、残念な結果に終わりました。

鎌田

ストラディヴァリウスともなると高価すぎて、演奏家の手には届かないのでは。

中澤

おっしゃるとおりです。海外にはパトロン文化があり、富裕層が楽器を所有して演奏家に貸し出すことが定着しています。ストラディヴァリウスともなると投資銀行が所有しているほどです。あとは博物館や財団、コレクターなどが所有していますね。

鎌田

世界中に何挺あるんですか。

中澤

ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラあわせて約600挺が現存すると言われています。その中で流通しているのは50挺以下で、今アジアで買えるのは1挺しかありません。

鎌田

だから投資としても価値があるんですね。

中澤

ずっと上がり続けており、今まで一度も値下がりしたことがありません。

鎌田

中澤さんはそんなヴァイオリンをビジネスにしていらっしゃる。仕入れはどのように?

中澤

仕入れて売る場合と、お預かりして販売する委託の場合の、2パターンですね。あとは“300年後のストラディヴァリウス”との期待を込めて、現存の製作者と契約して買っています。

鎌田

御著書を拝読すると、クステンダイクが格好いい。

中澤

マニアックですねえ、鎌田さん。ストラディヴァリウスは時代によって4つのカテゴリーに分けられるんです。最初が師匠に習っていた初期の頃、次がひとり立ちしてNo.1を目指し挑戦していた頃。試行錯誤を繰り返していたので、この時期のヴァイオリンはちょっとずつ形が違っています。クステンダイクはこの挑戦期のものですね。

鎌田

なるほど、進化の途中にあったヴァイオリンですか。

中澤

次が黄金期で、最後が晩年期。黄金期のヴァイオリンは、レオナルド・ダ・ビンチでいえば「モナリザ」に匹敵する価値がありますよ。もっとも玄人は、命を振り絞るように製作していた最晩年の作品を好みます。

鎌田

「モナリザ」クラスのヴァイオリンというと、価格は。

中澤

13億円から20億円といったところですね。もちろん初期、挑戦期の作品も素晴らしいです。こちらは数億円ですね。

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