アメリカでは地域によって家の手に入れやすさが大きくことなります。地域内の収入水準に対して住宅が安価なお買い得エリアもあれば、収入水準に対し家が高すぎる「過大評価」エリアもあります。投資する際にはお買い得エリアにばかり注目しがちですが、失敗を避けるために買うべきではないエリアも知っておきたいものです。
米不動産メディア「U.S.NEWS」は、地域ごとの世帯収入の中央値と住宅ローンの支払金額の中央値を調べ、家の手に入れやすさを調査しました。調査によると、全米のローン支払いの中央値は利上げ開始以降急上昇しており、2022年末時点で世帯収入中央値の36.6%に達しています。2020年1月時点ではおよそ22%程度だったといいますから、その急騰ぶりが分かります。しかし、この数字が甘く思えるほどに住宅が高いエリアが存在します。
最も「過大評価」されている、つまり収入に対して住宅が高すぎるエリアは、カリフォルニア州サンフランシスコ周辺で、ローン支払い額の中央値は収入中央値の66.7%。収入の3分の2がローン支払いに費やされる計算で、一般的な家庭ではとても手が出ないことが分かります。
2位以下も5位までカリフォルニア州が独占しており、2位のロサンゼルス周辺で64.2%、3位サンディエゴ周辺が63.7%、4位リバーサイド周辺は61.6%、5位のサンジョゼ周辺になってやっと6割を下回り56.7%という数字に。州内で一番お手頃なサクラメント周辺でさえ、49.5%で全米7位でした。
家が買えないのであれば賃貸に住むしかないわけですが、それも簡単ではありません。カリフォルニア州は家賃の高さも最高水準で、全米ワーストのリバーサイド周辺では、家賃の中央値は世帯収入の中央値の58.0%まで高騰。2位サンディエゴが48.5%、3位ロサンゼルスは44.8%、8位サクラメント40.0%と4エリアが40%を超えており、ここでも全米の35.8%を大きく上回る結果に。家を買うにも借りるにも莫大なコストがかかるカリフォルニア州ですが、この傾向はいずれ落ち着くのでしょうか?
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