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アルゼンチン新大統領に就任したハビエル・ミレイ氏とは何者か?

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.12.15

新大統領のニックネームは「アルゼンチンのトランプ」

2023年11月19日、アルゼンチン大統領選挙の決選投票が行われ、ハビエル・ミレイ氏が新しい大統領に選出されました。

10月22日に行われた初回投票で過半数を獲得した候補がいなかったため、上位2名のハビエル・ミレイ氏とセルヒオ・マッサ氏とで行われた決選投票には有権者の約76%が投票。結果は、ミレイ氏が約56%の票を得て、44%得票のマッサ氏を下しました。初回投票ではマッサ氏が36.7%、ミレイ氏が29.98%の票をそれぞれ獲得していましたが、逆転した形です。

ミレイ氏は、旧体制やライバル候補に対する批判や侮辱を繰り返す挑発的な姿勢から、「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれる人物です。また、中央銀行を解体する、法定通貨をアルゼンチンペソから米ドルに変える、省庁の統廃合による支出削減など、大胆なマニフェストを掲げていることから、SNSの一部利用者からはイロモノ候補のように扱われていましたが、アルゼンチン国民の考えは違ったようです。また、アルゼンチンの株式市場が大統領選の翌営業日に14%(ピーク時には20%)上昇するなど、ミレイ氏の就任を好材料だと判断する人が一定数いるのは間違いありません。

侮辱や下品な発言を繰り返す過激なキャラクターでブレイク

ミレイ氏は、本名ハビエル・ヘラルド・ミレイとして、1970年10月22日にブエノスアイレスのパレルモで生まれました。政治家になる以前は、経済学者、著者として活動していました。大学教授としてマクロ経済学、経済成長、ミクロ経済学、経済学者向けの数学などを教え、多数の書籍を執筆していた実績があります。

国民に広く名前が知られ始めたのは2010年代で、テレビの討論番組に出演したことがきっかけです。当時から一般的な学者のイメージとはほど遠い過激なスタイルで、討論相手に対する侮辱や下品な言葉遣いが大きな注目を集めました。なかでも悪名高いのが、ブエノスアイレス市長ホラシオ・ロドリゲス・ラレタ氏との討論で行われた「邪悪」「敗者」「臆病者」「不安定」という罵倒や、ブエノスアイレス大学経済科学部に対する「アルゼンチンの経済学者の主な生産地は、マルクス主義の洗脳センターである」という発言です。

評論家からは「反政治的」「破壊的」と評されたキャラクターですが、好意的に捉える国民も少なくなかったようで、アルゼンチン国内で最もテレビ出演時間の長い経済学者となるのに長い時間はかかりませんでした。

政治家としての経験はまだ浅く、2021年にブエノスアイレス市で下院議員に出馬・当選したのがキャリアのスタートです。大統領就任後も話題にことかかないミレイ氏が、あるゼンリン経済に、そして国際経済にどのような影響を与えるのか、要注目です。


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