5月25日、同月3日と4日に行われたFOMCの議事録が公開され、利上げに対する参加者の姿勢に注目が集まりました。
議事録によると、参加者の大半が6月と7月の金利見直しにおいて、0.50%の大幅利上げを行うことを支持しているとのこと。一方で、迅速な利上げによって「年内に、政策がインフレに与える影響を再評価するのに良い位置につけるだろう」という記述も。
一部の投資家は「再評価」を、利上げのペースを改める、つまり緩やかにすることを意味するのではと予想。6,7月の0.50%の利上げの後、9月からは0.25%の通常利上げに戻すのではという見方が広がっています。
予想の成否はともかく、再評価のキーが「インフレ」にあることは明らかです。議事録内では、インフレについての言及が60回も登場。FOMC後の記者会見では、ジェローム・パウエル議長が「インフレを抑える」という中央銀行の姿勢を国民に向けて直接発信しました。さらに5月下旬に公開された、ウォールストリートジャーナルによるパウエル氏へのインタビューでは、「(金利政策の見直しに必要な)明確で説得力のある証拠」として、金利の上昇が止まる前にインフレがFRBの2%の目標に下がっていることを挙げたばかり。今後の金利は、インフレ率の変動に大きく左右されそうです。
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FOMCの議事録公開を受け、株価は敏感に反応しました。利上げとそれによる経済停滞への懸念がやや払拭されたことで、一部銘柄が復調。ダウ工業株30種平均は0.6%、S&P 500は0.9%、ナスダック総合指数は1.5%、それぞれ上昇しました。
特にIT・ハイテク株を中心に、売りが強まっていたセクターに買いが集まりました。税務ソフトウェアのIntuitは好調な四半期決算も手伝い前日比8.2%の急上昇、DocuSignとZoomVideoもそれぞれ8%以上上昇しました。
一方、債券の利回りはほぼ横ばいで、10年債は前日比0.01%未満の下落、30年債は同0.01%上昇となりました。一般に、金利下落局面では債券価格が下がる(債券利回りが上昇する)と言われています。25日の市場は、株価の動きからすれば債券利回りも上昇してもよい局面でしたが、債券投資家の判断はより保守的なようです。
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