7日、米国で世界で初めて、ブタからヒトへの心臓移植手術が行われました。手術を受けたのは重い心臓病を患う57歳の男性・デービッド・ベネット氏で、心臓を提供したのは遺伝子操作したブタです。この実験的手術を担当したメリーランド大学医学部の発表によると、手術から3日経った10日時点で、経過は良好とのことです。
今回の手術は、ベネット氏を救う最後の望みであると考えられていましたが、彼の長期的な生存の可能性はまだ明らかではありません。手術の前日、ベネット氏は「死ぬか、この移植を行うかのどちらかだった」と語っていました。また、こうした前例のない手術は通常は簡単には許可されないものですが、ベネット氏は末期の心臓病に生命を脅かされており、かつただちに移植を受ける方法が他にないという理由で、米国の医療規制当局はこの手術特別に認可しました。
移植を行った医療チームにとって、これは長年の研究の集大成であり世界中の人々の生活を変える可能性があります。外科医のバートリー・グリフィス氏は、この手術によって世界は「臓器不足の危機の解決に一歩近づくだろう」と述べました。現在、米国では毎日17人が移植を待ちながら亡くなっており、10万人以上が待機中であると報告されています。以前から、動物の臓器を使ったいわゆる異種移植で移植の需要に応える可能性は考えられており、豚の心臓弁を(部分的に)使うことは既に一般的になっています。今回の手術では、心臓弁だけでなく、心臓をまるごと移植した点で、先進的な事例として注目を浴びています。
2021年12月に打ち上げられた、アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の宇宙空間での展開作業が1月8日に完了しました。打ち上げ時には小さく折りたたまれていた黄金の反射鏡は、設計通りに広げられ、幅6.5mの凹面鏡へと姿を変えました。
世界最大の宇宙望遠鏡であるジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は、宇宙のあらゆる部分を研究するための革新的なツールになることが期待されています。科学者たちは、100億ドルの天文台とジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の反射鏡を使って、ビックバンからわずか数億年後に起こった出来事を捉えるつもりです。そのほかにも彼らは宇宙を照らす最初の星を見ることや、遠方の惑星の大気を観察することで居住可能性を調べることにも用いる予定です。
今回の望遠鏡は、アメリカ、ヨーロッパ、カナダの宇宙機関の協同プロジェクトであり、30年の歳月をかけて設計・製造されたこの望遠鏡は、運用期間の終了が近づいているハッブル宇宙望遠鏡の後継機と考えられています。通常、ミッションの中で最も緊張するのは打ち上げの瞬間ですが、今回は巨大な望遠鏡を宇宙空間で展開することが一番の難所でした。これは、過去に宇宙で試みられた展開作業のなかでも、最も困難な作業の一つだと言われています。しかし、展開完了がゴールではありません。この望遠鏡の本当の実力が証明されるのは、今年の夏、最初の画像が撮影され、地球に転送されるときです。宇宙はどのように始まったのか、地球の外にも生命は存在するのかといった大きな疑問の答えが得られるのか、期待が集まっています。
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