英国とカナダが、2022年に開催される北京冬季オリンピックの外交的ボイコット(選手団は派遣するが、政府関係者の派遣は見送る)を発表しました。今週初めに発表された米国とオーストラリアの外交的ボイコットに続く形です。
12月8日、英国のボリス・ジョンソン首相は、中国で人権侵害の疑いがあることを理由に冬季オリンピックへの閣僚の派遣を予定していないと発表しました。カナダも同様に人権問題を理由に参加を見合わせました。中国政府は人権侵害を否定しており、外交的ボイコットに対して非難しています。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、政治的ボイコットが増えていることへの意見は表明せず、選手が冬季オリンピックに参加できることを歓迎すると述べました。「政府高官の存在は各政府の政治的決定であるため、IOCの中立の原則が適用されます」と中立的な立場を協調した形です。
近年、中国と西側諸国との間ではいくつかの外交問題を巡り緊張が高まっています。米国は、中国が西部の新疆ウイグル自治区で少数派のイスラム教徒であるウイグル人を弾圧して大量虐殺したと非難していますが、中国はこれを繰り返し否定。また、中国が香港の政治的自由を抑圧していることや、中国のテニス選手である彭帅が政府高官の暴行を告発した後、数週間にわたって公の場に姿を表していないことなどの問題から関係が悪化しています。日本を含む他の国々も、大会の外交的ボイコットを検討していると報じられています。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、2022年の北京冬季オリンピックの外交的ボイコットにフランスは参加する予定は無いと述べました。「そのような動きは取るに足らない、単なる象徴的なものに過ぎない」と外交的ボイコットへの疑問を提起しました。既に米国、英国、カナダ、オーストラリアが中国の人権問題への懸念から、2月の冬季オリンピックに政府代表を派遣しないと発表しています。一方、国連のアントニオ・グテ―レス事務総長は、開会式への招待を受けたと述べました。
12月10日に行われた記者会見で、マクロン氏は「オリンピックを政治的に利用するべきではない」とし、「有用な効果をもたらす行動を好む」と発言しました。さらに、フランスが国際オリンピック委員会(IOC)と協力して選手を保護するための憲章を作成すると述べ、彭帅氏への言及を示唆しました。
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