アメリカで、住宅ローン審査の承認率における人種格差が問題になっています。
この問題を最初に報じたのはニュースネットワークのCNNです。23年12月の同局の調査報道によると、2022年に同信用組合に新規申請された住宅ローンの承認率は、白人の借り手の場合は75%以上だったのに対し、黒人が借り手の場合は50%未満に留まりました。人種毎の承認率は、白人77%、アジア人69%、ネイティブアメリカン64%、ラテンアメリカ人56%、黒人48%でした。
平均収入にも人種格差はありますが、海軍連邦信用組合の住宅ローン承認率はそれ以上に不平等です。驚くべきことに、年収14万ドル以上の黒人借り手よりも、年収6万2000ドル未満の白人借り手のほうが承認率がわずかに高く、2倍以上の収入差を持ってしてもなお、人種格差が上回っている状況にあります。
他の金融機関でも、承認率や金利の格差がありましたが、海軍連邦信用組合はローン組成件数上位50社のうち最も格差が大きかったとのことです。同信用組合はアメリカ海軍の所属者専用の信用組合として1933年に設立された後、国防省全体の従業員、退役軍人、家族を対象に拡大し、現在では1,300万人の会員を抱えています。今やアメリカ最大規模の信用組合であるだけに人種格差により不利益を被る人の数は膨大です。
この問題を受け、2024年1月11日、アメリカの国会議員たちがアクションを起こしました。民主党上院議員10名が住宅都市開発省と消費者金融保に書簡を送り、同信用組合の住宅ローンが差別禁止法を遵守しているか調査するよう要請しました。また上下院の黒人議員からなる議会黒人幹部会のメンバー40人は同信用組合に直接書簡を送り、CEOとの面会を要請するとともに、人種間の格差についての質問への回答とデータ提出を求めました。
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