ソーシャルメディア大手のフェイスブックは、2021年6月から9月までの3か月間に90億ドル(約1兆円)の利益を上げ、昨年の78億ドルから増加しました。元社員による内部告発による悪評が続く中、予想を上回る利益です。また、9月30日までの12か月間で、同社の月間ユーザー数は6%増加し、29億1,000万人に達しています。
一方で、2つの大きな向かい風も。1つ目は、アップル社のOS「iOS14」のプライバシーに関するアップデート。ブランドが特定のユーザーに向けて広告を掲載することが困難になったため、収益の大部分を広告に依存するフェイスブックは大きな打撃を受けるとみられます。
もう1点は、上述の内部告発。告発者のフランシス・ハウゲン氏は、フェイスブック者でプロダクトマネージャーを務めていた人物です。彼女は、同社がユーザーの安全よりも利益を優先したと主張する内部文書を公開。複数のメディアによると、フェイスブックが米国外でヘイトスピーチや性犯罪を助長するコンテンツの規制に苦慮していたことを示すと報道されています。
フェイスブックは、大規模なリブランディングの一環として、社名を「メタ」に変更しました。これはソーシャルメディアとしてだけでなく、バーチャルリアリティ(VR)などの分野にも事業を拡大していく中で、自社の事業内容をよりよく包括するものであると考えています。この変更は、Facebook、Instagram、Whatsappなどの個々のプラットフォームには適用されません。
今回のリブランディングの動きは、同社がメタバース部門に注力していく決意を示すものである一方で、内部告発によるネガティブな印象を払拭する狙いもあるのではと見られています。
ファイスブックの責任者であるマーク・ザッカーバーグ氏はメタバースの構築計画を発表した際に、新しい社名の「メタ」を発表しました。メタバースとは、人々がゲームや仕事をしたり、VRヘッドセットを使って仮想環境でコミュニケーションを取ることが出来るオンライン世界のことです。ザッカーバーグ氏は「既存のブランドでは将来はもちろん、現在行っていることのすべてを表現することは不可能であり、変更することが必要である」と述べました。また、カリフォルニア州メンロパークにある本社にある親指を立てた「いいね!」のロゴを、青色のインフィニティ(無限大)の形に変更した新しい看板を発表しました。「将来的にユーザーがフェイスブックを使わなくても同社のサービスを利用できるようになることを反映したものである」とザッカーバーグ氏は述べています。
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