ジャネット・イエレン財務長官は、ナンシー・ペロシ下院議長に対し「迫り来る債務上限に対処し、経済的惨事を回避するために議会に残されている時間は、わずか3週間弱である」と述べ、米政府の資金枯渇を指摘しました。また書簡でも「10月18日までに議会が債務上限の引き上げか上限の一時停止を行わなければ、財務省はデフォルト回避措置が尽きる可能性が高いと推測しています」と伝えました。イエレン氏は28日の上院でも同様の発言を行い、「このままでは米米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表が近日中に中国の劉鶴副首相と米中通商合意について協議を開始しました。アメリカは、中国製品に課している制裁関税の一部の撤廃に向けて動く一方で、中国の不公平な貿易慣行の是正を求めています。
タイ代表は、米民間シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)主催のイベントにて発言。「中国による一部業界への数十億ドル規模の国家補助金が、米企業に悪影響を与えている。それをやめるように引き続き働きかけるほか、あらゆる選択肢を確保する予定」と述べていました。
しかし、バイデン政権はこうした外交努力の重要性を繰り返し主張しているものの、政府高官らの認識は違うようです。「中国が変わってくれるなら歓迎するが、期待はしていない」と語り、中国が経済慣行の根本的な変更に同意する可能性は低いとの見方を示しました。別の政府関係者は、中国政府が「権威主義的な国家中心のアプローチ」を推し進めようとしている状況では、「北京の有害な慣行による被害」を抑えることが重要だとし、アメリカの競争力強化、市場の多様化、同盟国との関係強化などに取り組むべきだと考えています。
アメリカでは「ミートショック」と呼ばれる食肉価格の高騰が生じており、日本が輸入する牛肉の価格も上昇するなど影響が出ています。
アメリカの肉類の平均価格は、2020年12月以降、牛肉が14%、豚肉が12.1%、鶏肉が6.6%と、異例の速度で上昇しています。そのため、消費者は食品代の高騰に不安を募らせています。
ホワイトハウスは、一部の大手食肉加工会社が米国内の供給を独占しているため、自由に価格を設定できることがこの問題の原因であると考えています。7月には、大統領令で、新しい食肉加工業者が市場に参入して大手と競争するのを支援するため、連邦政府から5億ドルの融資と補助金を約束し、価格の引き下げを図っています。また、鶏肉加工業界における「価格操作」を調査するほか、食肉業界の競争を規制する法律を強化する予定です。
一方で、食肉業界はこの主張を断固として否定。価格の上昇は談合によるものではなく、昨年工場閉鎖に繋がった深刻な労働力不足を含む、パンデミック関連のサプライチェーン問題が原因だとしています。先月、米国の肉食品メーカーであるタイソン・フーズは、「世界的なパンデミックや厳しい天候など、前例のない複数の市場ショックにより、食肉加工業者の生産能力が大幅に低下した」と声明を発表しました。
アメリカの市場関係者からは、食肉価格の高騰は2022年まで続くとの声も上がっており、日本を含む世界各国に長く影響を与えるとみられています。
注目記事
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その2)