ジャネット・イエレン財務長官は、ナンシー・ペロシ下院議長に対し「迫り来る債務上限に対処し、経済的惨事を回避するために議会に残されている時間は、わずか3週間弱である」と述べ、米政府の資金枯渇を指摘しました。また書簡でも「10月18日までに議会が債務上限の引き上げか上限の一時停止を行わなければ、財務省はデフォルト回避措置が尽きる可能性が高いと推測しています」と伝えました。イエレン氏は28日の上院でも同様の発言を行い、「このままでは米国初のデフォルト(債務不履行)につながり、米国経済に深刻な影響を与える」と警告しました。
米国は過去に一度もデフォルトに陥ったことがないため、経済学者はその影響を予測や推測に頼らざるを得ません。しかし、ほとんどの経済学者は、デフォルトが現実になると、金利の急騰とあらゆる市場の暴落、景気後退を引き起こし、金融危機が起こるだろうと推測しています。
イエレン氏は、「債務上限が引き上げられなければ、金利が急上昇することになるでしょう」 「私は、金融危機や災難が起こると思います。絶対に、国債の利払いが増えるのは確実です」と再三に渡って危機感を示しています。
債務上限の引き上げや一時停止を行ったとしても、政府は新たな支出が可能になるわけではありません。あくまで、トランプ政権やバイデン政権で既に発生している債務を履行できるにすぎません。共和党は債務上限引き上げや一時停止に反対していますが、彼ら自身はトランプ政権下で3度もそれを承認しています。その間、アメリカの国家債務は約8兆ドル増加しています。
中国最大の不動産開発会社である恒大集団の破綻が懸念されていることから、アジア諸国の株式のほとんどが下落しています。9月27日の日本のベンチマークである日経平均株価は、は0.3%減の30,139.65でした。
恒大集団は、数十億ドルの債務を抱えており、不履行を避けるための資金繰りに苦闘しています。恒大集団が破綻すると、彼らに出資している金融機関や取引先にも大きな影響があると見られており、投資家たちの間で不安が広がっています。
また、中国市場に対する懸念は恒大ショックだけではありません。中国の一部地域で電力不足により工場が操業停止に陥っており、エネルギー使用量の目標を達成するために一部の家庭では電気が使えない状況になています。年末のショッピングシーズンを控えたアジアの製造業に必要な供給も不安視されており、世界的に影響が広がる可能性があります。新型コロナウイルスのパンデミックの影響で部品や原材料が不足しているなか、電力不足も重なったことで、地域の製造業は深刻な打撃を受けるとみられています。アナリストたちは、中国では冬場に石炭や天然ガスの需要が急増するため、この電力不足は長期化する可能性があると指摘しています。
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