ジョー・バイデン大統領は、難民の受け入れ人数の上限を引き上げることを発表しました。トランプ前大統領が設けた上限人数、1万5千人のおよそ4倍、6万2千5百人への引き上げです。
バイデン大統領は、メキシコからの移民が急増したことで、これ以上の人を受け入れることに対し懸念を示し、難民の上限人数を据え置くと発表していました。しかし、この発表に対して、ニューヨーク議会の左派議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが「排外主義」と表現するなど、与党・民主党の有力議員や難民機関が大きく反発。バイデン氏は「難民を歓迎し支援する国としてのアメリカの価値観を反映していなかった」と方針転換するに至りました。
トランプ前大統領は、難民の上限を徐々に削減、その数はバラク・オバマ大統領の就任時の11万人から過去最低の1万5千人にまで減らしていました。これに対し、人道支援団体は、トランプ時代が「完全に誤った物語」であると指摘、米国の難民第三国定住プログラムを再構築する必要があると主張しています。イギリスの元国外務大臣で、国際救済委員会(IRC)の最高責任者であるデイビッド・ミリバンド氏は「バイデン大統領の決定はアメリカにとっても難民にとっても良いことだ」と語り、人数制限緩和を評価しました。
難民の受け入れは、低価格住宅の需要増につながります。しかし、低価格住宅は現在すでに供給が不足しており、需供のバランスがますます崩れると考えられます。クラスC以下の物件に投資されている方は、市場の動きに注意が必要です。
新型コロナウイルスのパンデミックは、多くの国で歴史的な景気の悪化をもたらし、世界最大の経済ランキングを揺るがしています。
国際通貨基金(CNBC)の分析によると、米国、中国、日本、ドイツが上位4位を占めている点は変わらないものの、ブラジルがトップ10から外れるなど、大きな変動が見られます。このランキングは国際通貨基金のWorld Economic Outlook(世界経済見通し)データベースで提供されているすべての国の名目国内総生産を、米ドルで比較したものです。
2019年に世界第5位の経済大国となったインドは、昨年、英国に次ぐ6位に落ち込みました。インドでは、新型コロナウイルスの封じ込めに苦労しており、4月中旬にはブラジルを抜いて、世界で2番目に感染状況が悪い国になりました(1位はアメリカ)。エコノミストは、1か月のロックアップが再び全土に課せられた場合、インドの年間GDPは100~200ベーシスポイント減少すると推定しています。
また、ブラジルは2019年の第9位から12位に転落。TOP10から唯一外れた国となりました。ブラジルの新型コロナウイルス感染状況は、感染者数が世界3位、死亡者数が世界2位と、効き的な状況にあります。しかし、ジャイル・ボルソナロ大統領はウイルスの脅威を軽視しており、ブラジル経済の回復には苦労するとエコノミストは述べています。
一方で、ブラジルに変わってが10位に上昇したのは韓国。少なくとも2026年まではこの順位をキープすると予想されています。韓国は昨年、ウイルスの封じ込めにある程度成功し、経済の縮小はわずか1%ほどでした。
コンサルティング会社のCapital Economics社のエコノミストは、ウイルスの不確実性にも関わらず、国の製造業と輸出部門は依然として強いと述べています。さらに「オンラインショッピングが増加している影響で、ウイルスが発生していても、消費は回復力を増している。しかし、接客業や娯楽産業は依然として非常に弱い」と付け加えています。
ブラジルの転落に見られるように、新興国経済は安定性を欠く点がリスキーです。不動産投資先を選定する際にも、成長性だけでなくリスクにも目を配りたいものです。
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