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アメリカ不動産アカデミーVol.34 コロナからの回復の兆しを見せるテキサス州と最新米国住宅市場(2021年3月8日時点)

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2021.03.07

 

コロナから回復の兆しが見えるテキサス州

日本では1都3県の緊急事態宣言延長が発表されましたが、アメリカでは感染症対策の緩和措置がはじまっています。その象徴的なできごととも言えるのが、テキサス州でのマスク着用義務の商業活動への制限の解除です。

2021年2月26日、CDC(The Centers for Disease Control:アメリカ疾病予防管理センタ ー)は、約4,720万人がCOVID-19のワクチンを1回以上接種していること、そのうち約 2,260万人は必要とされている2回の接種を完了させたと発表しました。

テキサス州では新型コロナウイルスによる死亡者数が米国内で3番めに多く、これまでに4万3000人以上が亡くなっています。そのテキサス州が制限を解除することで、他の多くの州も同様の動きをするのではと見られています。

テキサス州知事のグレッグ・アボット氏(共和党)が挙げた制限解除の理由は2点あります。1つは、ワクチンの接種回数増をはじめ、新型ウイルス感染症COVID-19の治療法が改善されてきていること。もう1つは、制限措置によって小規模事業者の多くが経費負担に耐えられなくなり、州民の雇用機会を奪われていること。

アボット氏は、同氏がこれまでに出した新型ウイルス危機に関連する知事令のほとんどを無効と新たな知事令を3月10日に発効する予定です。      

2021年2月の米国住宅市場の概要

昨年の同シーズンはコロナ禍の影響を大きく受け、売上高が17.2%減(全米不動産業者協会発表)になるほどでしたが、2021年2月の住宅市場は回復しはじめています。

このホリデーシーズンの不動産取引は、昨年に比べてはるかに良好でした。Realtor.comの2021年2月の住宅販売データによると、売り出し価格は昨年に比べて2桁レートで上昇し続けており、売買完了までの日数は昨年よりも約11日も早まっています。

この勢いを維持できるかどうかは、住宅在庫と金利の変動状況にかかっています。先月の新規売り出しのペースは依然として鈍く、悪天候の影響もありより悪化しています。

以下、2021年2月の全米不動産市場動向の要点です。

  • 全国の在庫は昨年より48.6%減少しました。
  • 新規売り出し物件は、全国で24.5%、大都市圏で23.5%減少しました。
  • 2月の売り出し価格の中央値は昨年より13.7%上昇し、35万3000ドルとなりました。大都市圏では、平均価格が昨年より11.5%上昇しました。
  • 住宅の販売までの日数の中央値70日ほどで、昨年の同時期よりも11日早まりました

供給の観点から見た住宅市場の動向

全国的には、2月の分譲住宅の在庫は前年同月比48.6%減と、1月の42.6%減に比べて減少率が高くなっています。件数ベースでは、昨年の2月に比べて49万6千件の減少となりました。厳しい天候の影響もあり、新規売り出し住宅は前年同月比24.5%減とさらに減少しました。

総住宅供給量は、買い手目線では不十分な状況で、完璧に気に入る家を見つけるのは引き続き困難です。一方、売り手にして見れば他の魅力的な物件と比べられることが少ないので、普段よりも売却しやすいかもしれません。在庫数を2020年4月のレベルに戻すには、3月と4月の新規売り出し物件数を前年比25%増加させる必要があります。


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