今週はアメリカ大統領選挙の状況と、アメリカ住宅市場の最新情報をお伝えします。
さる10月22日、最後のテレビ討論会が行われました。前回は発言中の割り込みが相次ぎ、「史上最低の討論会」と酷評されましたが、今回の討論会は特段の波乱はなく、穏やかに終了しました。
討論会前の全米世論調査による支持率は民主党 バイデン氏が51.8%、共和国 トランプ氏が41.6%であり、バイデン氏が10.2ポイントリードしていました。
しかし、10月26日時点の支持率はバイデン氏が50.8%、トランプ氏が43.0%。バイデン氏が依然としてリードするものの、差は2.4ポイント縮まりました。
両候補は全米各地の激戦州を回り、集会や演説を行っています。選挙戦は最終盤に入り、さらに熱を帯びています。
さて次に、米国における住宅市場の最新情報をお伝えします。
アメリカ大統領選挙がある年の住宅販売数は、大統領選が近づく6~10月は様子見ムードが漂い、例年より落ち込む傾向があります。しかし、今年は状況が異なるようです。
9月の全米中古住宅販売棟数は年率換算で前月比9.4%増の654万戸と、2006年5月以来、14年ぶりの高水準に達しました。
弊社が物件を取り扱うテキサス州とジョージア州を含む米国南部でも、中古住宅販売棟数は前年同月比22.3%増加。価格中央値も266,900ドルと、前年同月比で約13%上昇しています。
販売好調の大きな要因は住宅ローン金利です。30年固定の住宅ローン金利は約3%と、過去25年間で最低水準の金利となっています。それに加え、長引くパンデミックによりホームスクーリング、在宅勤務に対応する家を求める人々が増えたことも需要増の要因として挙げられます。
中古住宅販売が好調である反面、在庫不足が顕在化しています。全米の総住宅在庫件数は147万戸で、昨年の182万戸から19.2%減少しています。これは現在の販売ペースに対して約2.7か月分の在庫量です。健全な需給バランスには6~7か月分の在庫量が適正とされていますので、かなり在庫が逼迫している状況と言えます。
大統領選による様子見ムードを覆し、中古住宅販売は好調に推移しています。今後も各地における住宅価格、販売棟数の最新情報をお伝えしていきます。
以上、田力優がお伝えいたしました。
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