フレディマックが2023年5月18日に発表したデータによると、アメリカの住宅ローン金利は過去2週間連続で低下した後、今週微増しました。データは30年固定金利住宅ローンの平均金利に関するもので、今週は6.39%となり、前週の6.35%からわずかに上昇しました。
この数字は、約1年前の5.25%から1%強高いもので、まだまだ高金利な水準が続いていると言えます。しかし一方で、金利がピークを迎えていた23年11月の7.08%と比べれば、状況は落ち着きつつあると言えます。
この数ヶ月は0年固定金利住宅ローン平均金利は上がったり下がったりを繰り返してながら6.5%以下をキープしてきました。特にこの数週間は、10ベーシスポイント(0.1ポイント)未満の微増減が続いており、数値が安定しつつあるように見えます。
アナリストの多くも、現在の水準が落ち着きどころと考えているようです。リアルター・ドット・コムの経済データアナリストであるハンナ・ジョーンズ氏は「今後の経済指標で経済の今後の方向性がより明確になるまではこの範囲にとどまる可能性が高い」と発言。しばらくは状況が動かないだろうという見立てを明らかにしました。
他方、大きな変化をもたらしうると指摘されているのが、債務不履行(デフォルト)リスクです。上院下院のねじれ問題により、債務上限引き上げが実行できなかった場合、6月1日にも債務不履行に達することが報じられています。この状況を受けて、米国債の価値は暴落しており、10年米国債の利回りは急騰しました。国債利回りの上昇は他の金利にも影響を及ぼします。今週の住宅ローン金利上昇もまさに、デフォルト危機の煽りであると考えられています。
万が一、上下両院の歩み寄りがうまく行かず債務上限引き上げが行われなければ、米国はデフォルトに陥り、国債利回りや他の金利も今とは比べ物にならないほどに上昇する可能性があります。油断せず見守りましょう。
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