アメリカの債務不履行(デフォルト)期限が迫っていることが連日報じられていますが、一部アナリストによって、仮想通貨や株式の暴落が影響していることが指摘されています。
といっても、アメリカ政府が仮想通貨や株式の投資で直接的に損失を出したという意味ではありません。起きているのは、キャピタルゲイン税の税収減です。一昨年まではパンデミック下の金融緩和により各種金融商品が軒並み値上がりし、多くの投資家がその恩恵を受けました。彼らの収益の一部は、キャピタルゲイン税として1年遅れで納税されます。そのため、昨年までは例年以上の税収があったのですが、昨年はじまった利上げの影響で状況は一変しました。
仮想通貨は暴落し、株式も絶不調になったことで税収が大きく減少。不動産市場も、価格は比較的キープされているものの、取引件数が減ったためトータルでは税収減の一因となっています。
今年はじめの時点では債務不履行のXデーは夏頃、7月から9月になるだろうと予想されていましたが、直近の報道では最短で6月1日にまで早まっています。この1~3ヶ月の読み違いの主因がキャピタルゲイン税収の減少だったのではというのがアナリストたちの見立てです。
また、近年の気候変動による自然災害も、予測不能の税収減要因であったという指摘もあります。夏の干ばつや冬の寒波は、人々の生活基盤とともに、産業も破壊しました。その影響で、企業や個人の課税所得が減っているのに加え、立ち直りのために納税期限の延長を認めた地域もあります。
デフォルト危機の本質は、上下両院のねじれにあることは間違いありませんが、経済や気候の混乱がその状況をさらにこじれさせているというわけです。
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