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アメリカでホームレスが急増。コロナ禍救済策の終了と家賃高騰が影響か。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2024.01.10

ホームレスの数が調査開始以来最大に

米国住宅都市開発省(HUD)が2023年12月15日に公開したレポート「The 2023 Annual Homelessness Assessment Report:ホームレス実態調査2023年版」によると、アメリカではホームレス状態にある人の数が過去最大水準になっているようです。

これは、ポイント・イン・タイム(PIT)と呼ばれる、特定の1日にホームレス状態にある人の数をカウントする調査から分かったデータで、23年1月に実施されたPITでは全米で65万3,100人がホームレス状態にあることが確認され、調査を開始した2007年以来最多となりました。全米の人口で割ると、1万人のうち約20人がこの日ホームレスだったということになります。

また、23年のうち一晩でもホームレスを経験した人の数は、前年比12%、人数にして70,650人の増加したと推定されます。

モラトリアム終了と家賃高騰が影響

住居のない人が増加した要因は複数考えられますが、直接的な影響を与えたのは未払いによる立ち退きの一時停止措置(モラトリアム)の終了と、家賃の高騰です。

パンデミック中、家賃の支払いが難しい世帯が続出したことにより、低所得層の救済や公衆衛生上の観点から、政府が家賃を肩代わりすることで強制退去を防いでいたのがモラトリアム政策です。しかしこの措置も、度重なる延長を経て2021年10月3日に終了。家賃を払えない人々は住居を失いました。

さらにそこから、アメリカの賃貸住宅の募集家賃は上昇を続け、2022年8月には中央値が過去最高額の2054ドルに。それをピークに停滞し、直近ではやっと下がり始めたものの、ほんの4%ほどしか下がっていません。Redfinのデータによるとパンデミック前の2019年11月に比べるとまだ約22%も高い水準です。家賃負担が増え赤字になった家計を、貯蓄を切り崩すことで支えている世帯も相当数あると見られ、耐えきれなくなる過程がジワジワと増えているのでしょう。

この悲惨な状況は、2024年に利下げがはじまることで好転するのでしょうか?


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