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アメリカ、6月の利上げを見送ることが正式決定。1年ぶりの利上げストップも、市場の反応はまちまち

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.07.04

10回連続で行われた利上げが、一時ストップすることが正式に決定

2023年6月14日、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを見送ることを発表しました。

FRBは40年ぶりの高水準まで達したインフレ率を引き下げるため、2022年3月以来、1年以上に渡りFOMCの度に利上げを行ってきました。FOMCは6週間に1度のペースで行われるため、利上げ回数は連続10回となりました。1度の上げ幅は0.25%または0.75%で、利上げ前に0.25%だった政策金利は、5.25%に達しています。

このニュースを受けての株価の動きはまちまちで、4%以上上昇した大手半導体メーカーのエヌビディア(NVDA.O)やブロードコム(AVGO.O)のようにポジティブに反応した銘柄もあれば、0.74%下落したテスラのように振るわなかった銘柄もあります。

利上げ再開が濃厚なため、市場は楽観的になりきれず

米国株価を抑制していた要因の1つである利上げ見送りに対し、市場が素直に反応しなかった理由は主に2つです。

1つは、多くの投資家が、今回のFOMCで利上げが一度ストップすると事前に予想していたこと。そのため、利上げ見送りが正式に発表される以前から米国株はやや好調でした。金利政策に関する好材料はすでに市場に織り込み済みだったため、発表後のインパクトが小さくなったと考えられます。

もう1つ、主因となるのが7月のFOMCでは再度利上げが行われる可能性が高いことです。6月の消費者物価指数は前年比4.0%で、ピーク時の9.1%と比べると落ち着きつつあるものの、本来の目標である2.0%と比べるとまだまだ高すぎる水準です。パウエルFOMC議長も、「金利がより緩やかなペースで上昇するのは理にかなっているかもしれない」と利上げペースを抑制する意志を見せると同時に、「FOMCメンバーの大半が、年内にいくらかの追加利上げが必要な可能性が高いと考えている」と発言しており、ペースは緩めるものの終了するわけではないことを匂わせています。

まだまだ先が読めないアメリカの金融政策。次回FOMCも目が離せません。

 

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