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やっと決まった米国下院議長。親トランプ派のマイク・ジョンソン氏に。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2023.11.27

議員歴7年のマイク・ジョンソン氏が下院議長に

2023年10月25日に行われたアメリカ下院議長選で、共和党候補のマイク・ジョンソン氏が過半数を獲得し、22日ぶりに下院議長が選出されました。

共和党はこれまで、スティーブ・スカリス氏、ジム・ジョーダン氏、トム・エマー氏を候補に立ててきましたが、民主党議員を交えた下院内投票で過半数に満たないか、投票前の辞退によって議長就任に至っていませんでした。

4人目の候補であるマイク・ジョンソン氏は、2016年初当選の4期目の議員。過去3人の候補に比べると議員経験が浅く、知名度が低い人物です。そのため、投票前の見立てでは議長就任は厳しいのではとの声もありましたが、結果的には220票を獲得し、就任条件を満たしました。

2020年の大統領選の無効を訴える”親トランプ派”

ジョンソン氏はこの結果を、自称する「さまざまな派閥の橋渡し役」としての姿勢が評価されたと考えているようですが、実際には共和党内の妥協の結果によるものと捉えるのが真実に近そうです。

過去の候補が過半数を獲得できなかった最大の理由は、党内の保守強硬派からの支持を得られなかったことにあります。強硬派を除く大多数の議員たちは、各候補の思想や政策にどの程度賛同しているかはともかかく、議長を早く決めることと、民主党候補ではなく自党の候補を議長に据えることを優先し、共和党候補に投票してきました。また、候補者人事も、みなが妥協しやすいように、比較的バランスの取れた思想の穏健派議員が選出されてきました。しかし、党内でも少数派の保守強硬派だけが妥協せず、自分たちの意に沿う思想の候補を求め続けたため、過半数にわずかに届かずにいたのです。

そんななかでジョンソン氏が保守強硬派からも指示されたのは、彼が2020年の大統領選の無効を訴える”親トランプ派”であることが大いに関係しているでしょう。その他、ウクライナへの支援の反対、人工中絶の禁止を主張、LGBTQ+に対する規制推進など、典型的な保守強硬派的思想の持ち主です。穏健派の議員からすれば、もう少しマイルドな人物を選出しておきたいところでしょうが、その考えで立てられた過去3人の候補が拒否されたことを顧み、妥協してジョンソン氏を指示した形です。党内でも少数派のはずの保守強硬派の意向が色濃く反映された議長選。これからの議会運営にも、波乱が予想されます。


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