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Zillowは1億ドルで競合を退出させた? FTCとの和解でRedfinの「競争停止条項」を解体

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2026.09.04

1億ドルの提携で顧客を移管、約450人の雇用に影響 

FTCとアリゾナ、コネティカット、ニューヨーク、バージニア、ワシントンの5州は2026年8月24日、Zillow、Redfinとの和解命令案を連邦地裁へ提出しました。

発端は、両社が2025年2月に結んだパートナーシップ契約とコンテンツライセンス契約です。ZillowはRedfinに1億ドルを支払い、Rent.comやApartmentGuide.comなどのRedfin系列サイトに、Zillowが持つ集合住宅情報を独占的に提供することになりました。

これに伴い、Redfinは原則25戸以上の集合住宅を対象とする独自の広告販売を終了し、既存顧客をZillowへ移管。約450人の雇用に影響する部門再編も行いました。契約期間は当初5年間で、延長すれば最長9年間に及びます。Zillowは1億ドルに加え、Redfin系列サイトから送客された問い合わせや見込み客の件数に応じた料金もRedfinへ支払う仕組みでした。

FTCは、これを通常の物件情報共有ではなく、「競合企業に対価を払い、市場から退出させる契約」だと主張しました。FTCによると、2024年にはZillow、Redfin、Apartments.comを運営するCoStarの3社で、全米規模のオンライン賃貸広告市場の売上高の85%超を占めていました。

政府側の専門家は、Redfinが独自営業を停止した後、Zillowの顧客による同社での1掲載物件当たり支出が平均14.5%増えたと推計しています。ただし、この数字は裁判で確定した事実ではなく、算出方法の詳細も公開されていません。ZillowとRedfinも違法性を認めていません。

情報共有は残し、価格とサービスの競争を復活 

裁判所が和解命令案を承認すると、Redfinは6カ月以内に独自の賃貸広告事業を再開します。物件オーナーや管理会社が直接広告を登録できるシステムを構築し、責任者、営業担当者、顧客サポート担当者を配置しなければなりません。

Zillowには、Redfinによる人材採用を妨げず、一定の社員については採用に必要な情報を提供することも求められます。さらにRedfinの再参入後9カ月間、3カ月以内に解約できない契約を持つZillowの顧客は、違約金なしで契約を解約・再交渉し、Redfinとの契約を検討できるようになります。

一方、両社の提携そのものが解消されるわけではありません。ZillowからRedfinへの物件情報提供は続き、RedfinはZillowの情報に加えて、自ら獲得した物件広告も掲載する形になります。今回取り除かれるのは情報共有ではなく、Redfinの独自営業を禁じていた「競争停止」の部分です。

Zillowは、提携によってRedfin系列サイトの集合住宅情報が約4倍になり、Zillow系列サイトでも約40%増えたと主張しています。掲載物件の増加という提携の利点を残しながら、広告価格やサービス品質をめぐる競争を復活させるのが、今回の和解の狙いです。

直接の対象は主に25戸以上の集合住宅であり、戸建て住宅を保有する日本人投資家への影響は限定的です。ただし今回の事件は、物件の収益性が建物や立地だけでなく、入居者を獲得する情報流通インフラにも左右されることを示しています。Redfinの再参入後、管理会社の広告費や掲載物件数、サービス内容が実際にどう変化するかが次の注目点です。

 

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