2023年7月26日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定しました。この決定により、政策金利目標は5.25-5.50%となり2000年以来の高水準に達しました。
また、FOMCは金利政策の判断材料となる各種指標について、物価は高止まり、雇用の伸びは堅調、経済活動は緩やかなペースで成長していると評価。インフレについては引き続き細心の注意が必要と考えており、「金融政策への影響を引き続き評価する必要がある」と述べました。
決定後の記者会見で挙がった、次回9月のFOMCで再び利上げするかどうかという質問に、パウエル議長は「データが正当であれば、9月の委員会で再び利上げする可能性は確かにあるでしょう」としつつ「そのままの金利をキープする可能性もあるとも言えます。慎重に査定しますよ。(今この場でなく)会議の度にね」と回答。直接的な回答は避けたものの、さらなる利上げの可能性を否定しませんでした。
今回の決定については、アナリストや予測ソフトが「ほぼ100%利上げがある」と事前に予測していたため、発表後の市場への影響は小さく、株式と債券利回りはともにわずかに下がっただけに留まりました。
市場が落ち着いているのは、景気後退に対する懸念が払拭されつつあることが影響しています。この点はパウエル議長も明言しており、「世界最大の経済大国が(利上げによって)景気後退に陥るという中銀のエコノミストらの見方が覆された」と指摘。 インフレ退治のためには、これまでの対応ではまだ引き締めが十分ではないとしつつ、FRBが「ソフトランディング」を成功させられるかもしれないと自信を覗かせました。
次回9月に利上げが行われるか、再び停止するか、5分5分と見られており、米国経済の今後を測る上で重要な意思決定になりそうです。
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