2024年11月の大統領選に向けて、野党である共和党からは、トランプ前大統領を筆頭にニッキー・ヘイリー氏(元サウスカロライナ州知事で51歳のインド系女性)やロン・デサンティス(イェール大⇒ハーバード大法科大学院⇒弁護士のエリート。海軍で法務アドバイザーも務めた45歳)などが出馬表明していますが、民主党からもバイデン氏の対抗馬が出馬表明しました。
2023年10月27日、ディーン・フィリップス下院議員は、2024年の大統領選挙の民主党の予備選への挑戦を表明しました。1969年生まれで現在54歳のフィリップス氏は、出馬会見でバイデン氏を「素晴らしい仕事ぶり」だと称えつつも、再戦した場合は任期満了時に86歳になる年齢を根拠に、実務遂行能力に懸念があると指摘。「私は若い」とアピールしました。
最近の世論調査によると、民主党員も含めた多くのアメリカ人が、大統領としての職務を果たすにはバイデン氏の年齢は高すぎると考えており、フィリップス氏の指摘もこれに沿ったものです。
しかし、民主党関係者の多くは、彼の出馬表明に困惑しています。
フィリップス氏の選挙区であるミネソタ州の実業家で、長年民主党に献金してきたバンス・オッパーマン氏は、バイデン氏の功績が「並外れた」ものだと評価しつつも、彼が高齢すぎることは認めています。そして、フィリップス氏の働きぶりについて「満足」しているとも発言しています。しかし、そんな彼でさえも「ディーンに喧嘩を売るつもりはないし、ディーンに対抗するための真剣な攻撃や努力は知らないが、私はそれに反対する」と、出馬に賛同できないことを明らかにしました。
優秀な経営者としても知られるフィリップス氏。家族経営のフィリップス・ディスティリング・カンパニーでCEOを務めた後、ジェラートブランド「Talenti」を共同経営し、2014年にユニリーバに売却。その後もコーヒーショップチェーン「Penny's Coffee」の創設するなど、勢いのある人物であることは間違いありませんが、今回の行動はミスジャッジだったのかもしれません。予備選は24年2月に行われる予定です。
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