2023年11月は、世界の株式市場が好調でした。MSCIオールカントリー指数は、9%上昇。新型コロナウイルスワクチン開発に沸いた2020年11月以来最高の上昇率を記録しました。
この上昇を率いたのは米国市場で、S&P500が9%ナスダック総合指数が10.7%、それぞれ上昇し、2022年7月以来最高の上昇率でした。ダウ工業株30種平均も8.8%上昇し、こちらは2022年10月以来最高の数値でした。
もともと米国株は11月に好調な傾向があると言われており、過去20年間の11月のS&P500は70%の確率で上昇していますが、平均上昇率は3.97%でした。今年は例年にも増して高い伸び率を記録し、投資家の間で楽観的な味方が広がっていることが伺えます。
米国以外の国も11月は概ね堅調で、特にインドやブラジルは2023年通して高い成長率を記録する見通しです。
世界的な株式市場の盛り上がりの背景には、米国とEUの金利がピークに達しているという見通しがあると考えられています。
ピーク時には8%に達したアメリカのインフレ率(消費者物価指数の伸び率)は、10月には3.2%となり、目標とする2%に近づきました。EUに至っては、ピーク時には10.6%まで上昇したインフレ率は、11月時点で2.4%まで下がりました。これは事前に予想されていた2.7%を下回るもので、物価の健全化は期待以上のペースで進んでいます。
インフレが収まれば、中央銀行は金利を高く保つ必要がなくなります。次に待っているのは、利下げによる景気刺激、つまり企業の業績向上です。現在は、投資家たちが利下げが近いことに賭けたことにより株価が先行している状態。この読みが現実となって株価がさらに上昇するのか、利下げまでのラグにより一度調整が入るのか。年末も株式市場と金利政策から目が離せません。
注目記事
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その1)
なぜ、こんなにも多くのお客様にご支持を頂いているのか(その2)