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2023年、世界のスタートアップ投資は減速したまま終わる見込み。

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2024.01.05

VCの資金調達額は前年同期比53.5%減。2015年以来最小の規模に。

11月以降、ビックテック企業を中心に好調な米国株式市場ですが、スタートアップ企業はその恩恵に預かれていないようです。

金融データ・プラットフォームを運営する米PitchBook社が発行するレポート「Global Private Market Fundraising Report」の2023年第3四半期版によると、世界のベンチャーキャピタルの資金調達額は全955ファンドで約117.3億ドルで、前年同期比53.5%減少となりました。この金額は2015年以来最低の記録です。VCの調達額が減少するということは、出口であるスタートアップへの投資額が減ることでもあります。

ベンチャー投資が減っている要因には、金融引き締めにより投資余剰資金が減少していること、経済の先行きが不確実な中でより安定性の高い銘柄が好まれていることなどが挙げられます。投資が減ることで、新興株式市場が低迷し、結果さらに投資が減るという悪循環に陥っています。

事態好転には、利下げやIPO市場活性化が必要

Pitchbook社のレポート内では、スタートアップ投資の不調は少なくとも年内に解消することはないとしたうえで、以下の2つの場合には2024年内に好転するかもしれないとしています。

1つは、利下げです。利下げ局面では、投資家のリスク許容度が上がるため、資金調達も有利になります。また、銀行借り入れコストが下がることで、スタートアップ企業は人材採用や技術投資を加速し企業価値を高めることができ、より魅力的な投資対象になれる可能性があります。

もう1つは、IPOマーケットの活性化です。IPO市場が盛り上がれば、次のIPO候補へ投資したいと考える人も増え、スタートアップ投資が活性化されるでしょう。ただし、レポート内にはIPOマーケットが再活性化するシナリオについての具体的な記述はありません。スター企業が突如現れ市場の雰囲気を一変させるようなIPOを果たすのか、IPO投資に対する優遇政策が始まるのか、何かしらインパクトの大きな出来事が必要そうです。

2023年は不調なままに終えそうなスタートアップ市場。来年はどんな年になるのでしょうか?


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