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不動産(property)とテクノロジーを組み合わせた「プロップテック」と呼ばれる企業が今、世界中で誕生しており、不動産領域における新しいチャレンジに取り組んでいます。この【注目の海外プロップテック企業】というコーナーでは、オープンハウスがセレクトした海外の注目プロップテック企業をご紹介します。
第5回は、不動産の収支計算・予測サービスを提供するオーストラリアのスタートアップ企業「Properlytics」をご紹介します。
「Properlytics」は不動産業者やプロの不動産投資家をターゲットにつくられた専門家向けサービスです。物件の取得コスト、税制控除、収益、キャッシュフロー、投資成果、資金調達構造、投資経費といったさまざまな指標(変数)を入力することで、将来的な収支を予測シミュレートします。
上記の指標以外にも数100種以上の指標を入力することができ、入力した指標をもとに、10万回以上の計算を実施。また多くの指標を入力することで、より高精度な分析が可能になります。
前回の本シリーズ記事で紹介した「Cognian Technologies」社と同じく、オーストラリア国内の優れたプロップテック企業を表彰するTUDアワード(The Urban Developer Awards)の2020年版にもノミネートされた同社。オーストラリアで今、非常に注目度の高いプロップテック企業と言えるでしょう。
「数100種以上の指標を入力」と書くと、「自分には難しそう……」とハードルの高さを感じる人もいるかもしれません。
しかし、Properlyticsのアプリはシンプルで直感的に扱えるような、誰にでも使いやすいデザイン設計が大きな特徴。どの指標をどこに入力すればいいか、あとどれくらいの時間で分析が完了するかなどが分かりやすく表示されるため、初めてアプリを使う人でも迷わず操作でき、大きな手間なしに分析レポートを手に入れることが可能です。
プランには個人投資家向けと不動産業者向けの2種類があり、不動産業者向けプランでは、物件の持ち主情報も登録できます。これにより物件と顧客とを紐付けて管理することが可能になり、複数物件を所有する顧客のレポート作成・管理も簡単に行えます。
また専門家向けのツールでありながら、iOSとAndroidの両方でアプリが公開されているのも利便性のポイントとなっており、パソコンなど複数デバイスでの管理・閲覧も可能に。残念ながらアプリは現状、オーストラリア国内のみでの公開となっており、日本からはダウンロードできませんが、今後のサービス拡大に伴う利用地域の広がりなどは期待できるかもしれません。
Properlyticsは不動産投資にまつわる複雑な計算作業を自動化し、投資管理をより手軽なものにしてくれるサービスです。複数物件の管理を前提としているため、現状では個人投資家よりも規模の大きな不動産業者に恩恵の大きなサービスと言えるかもしれません。
しかし、Properlyticsによって不動産業者の分析レポートがより精度の高いものになれば、管理を任せる個人投資家や物件所有者にとっても間接的メリットになるため、こうしたサービスの普及・機能向上は個人レベルでも歓迎すべきことだと言えるでしょう。
Properlytics の公式サイト上では、不動産にまつわる最新情報を伝えるブログや、オーストラリア国内での印紙税計算機なども公開されており、不動産投資家に役立つ情報を多数提供しています。日本ではまだ利用できずとも、今後のサービス拡大が期待されるProperlytics。サービスの概要について詳しく知りたい方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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