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【注目の海外プロップテック企業】第3回: Cognian Technologies(建物のIoT化ソリューション)

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2021.02.11

Highlights

  • オーストラリアの注目プロップテック企業「Cognian Technologies」をご紹介
  • 建物を一元管理できるIoTプラットフォーム「syncromesh」を提供
  • 優れたプロップテック企業を表彰するTUDアワードにも選出されるなど要注目の企業

不動産(property)とテクノロジーを組み合わせた「プロップテック」と呼ばれる企業が今、世界中で誕生しており、不動産領域における新しいチャレンジに取り組んでいます。この【注目の海外プロップテック企業】というコーナーでは、オープンハウスがセレクトした海外の注目プロップテック企業をご紹介します。

第3回は、建物のIoT化ソリューションを提供しているオーストラリアの「Cognian Technologies」をご紹介します。


建物のIoT化ソリューションを提供するCognian社

建物のIoT化ソリューションを提供するCognian社Cognian社はスマートビルディングにまつわるソリューションを取り扱うオーストラリアのプロップテック企業。施設やビルのIoT化ソリューション「syncromesh」を主力製品として提供しています。同社は、オーストラリア国内の優れたプロップテック企業を表彰するTUDアワード(The Urban Developer Awards)で2020年の最高賞に輝くなど、急成長を遂げている企業です。

syncromeshはビルオーナーやそこに入居するテナントを主なターゲットにしているサービス。Webサイトには「あらゆるビルをスマートに、スマートなビルはもっとスマートに」というスローガンが掲げられています。

その言葉通り、syncromeshを導入することで、照明や気温調整、施錠といったビルの自動管理が可能になり、同時に強力で安定したWi-Fi環境など通信面も整えることができます。

オフィス管理者にとっては、省エネ化やセキュリティ性の向上はもちろん、労働生産性アップなども期待できるサービスです。

 

設備やIoT機器を1つのプラットフォーム上で一元管理

syncromeshの大きな特徴として、照明やエアコンなどの居住設備と、感知センサーやAIなどの制御機器を、1つのプラットフォーム上で一元管理できることが挙げられます。一般的に照明や空調はメーカーが違うことが多いため、バラバラに操作するのが当たり前ですが、それらを1つの画面から操作することが可能になるため、利便性が大きく向上。建物内を常に理想的な明るさや気温に保つために、AIによる自動調整なども可能となっています。

またsyncromeshのプラットフォーム上からは、オフィス全体の光熱費や、CO2排出量なども確認できます。Wi-Fiだけでなく、Bluetooth接続などにも対応しており、Microsoft Azure、Amazon、GoogleなどのITプラットフォームとも連携が可能です。

またsyncromeshは、クラウドベースのサブスクリプションシステムとなるため、コストや柔軟性の面でも大きなメリットがあります。システム要件をスケールアップ/スケールダウンしたい場合も、追加工事や開発作業の必要はないため、利用者は時代の変化や社会ニーズに合わせた柔軟な運用が可能になります。

 

コロナ禍によるスマートビルディング需要の高まりも追い風に

新型コロナウイルスの影響で、オフィスのあり方が問われつつある現在、スマートビルディング需要は今後ますます増えていくことが予想されます。ドアの自動開閉・設備の音声操作などによる物理的接触の低減、また入退室管理や、オフィスの換気、温度・湿度管理を自動化することで感染リスク低減にもつながります。

Cognian社の創業者であるマーク・ブラムも2020年を振り返り「人々は徐々にオフィスに戻ってきつつあるが、不動産業界はこれまでのあり方を変えることが求められている。コスト管理、CO2排出量、セキュリティといった従来の事項に加えて、人の出入りや衛生状態、安全性をモニタリングするスマートテクノロジーにも期待が集まっている」とコメントしています(※1)。

またSDGsなどにも世界的注目が集まる今、“持続可能性”という観点からもsyncromeshは重要なソリューションになることが見込まれます。syncromeshを導入することで作業効率が向上すれば、働き方の改善にもつながりますし、照明や空調を適切に管理することで大幅な省エネ化も期待できるでしょう。

TUDアワードの受賞も受けてさらなる成長が見込まれるCognian社。大手不動産企業やIT企業とのアライアンスも立て続けに発表しており、今後の動向に目が離せないプロップテック企業です。

(※1)
ARN “Global property leader Matthew Banks appointed Chair of Cognian”2020-12-09
https://www.arnnet.com.au/mediareleases/136620/global-property-leader-matthew-banks-appointed/

 

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