Highlights
美術品オークションの運営で知られるサザビーズ傘下の高級不動産ブランド、サザビーズ・インターナショナル・リアルティが公開した2023年の市場予測レポートの内容が注目を浴びています。
「2023 Luxury Outlook」と題されたレポートでは、高級不動産市場の明るい先行きが予想されています。同社は高級不動産を扱っているため、自社の商材を魅力的に語るポジショントークであるとも捉えられますが、それを差し引いても一読の価値のある分析がなされています。ここでは、その一部を掻い摘んで紹介します。
コロナ禍に起因する超低金利が終わり、利上げがはじまった2022年。不動産市場全体で見れば、利上げは非常に大きな影響を及ぼしました。特に顕著なのが、「ロックイン効果」と呼ばれる売り渋りです。米国では、所有している家を売却してより良い家を購入する、住宅の買い替えが盛んです。しかし、金利が上がった現在、買い替えのために新しくローンを組むと、利息の支払いが格段に大きくなってしまいます。また、借入条件も引き上げられているため、審査にも通りにくい状況です。そのため、1~2年前に家を購入し、安価にローンを借りられた人々は、現在の住まいを手放しにくくなっています。結果、売りに出される物件が減っています。供給不足により不動産の価格は保たれていますが、売買件数が落ち込んでいます。
しかし、富裕層を相手にする高級不動産市場はその限りではありません。キャッシュリッチな彼らは、ローンを組まずとも現金で購入できるため、金利を気にする必要がないからです。特に、中東やアジアの富裕層はその傾向が強いと言います。為替が不安定な今、現金に資産を偏らせるのはリスクですが、かといって株式市場も冷え込んでいる現在。高級不動産は額面が大きく、市場参加者が富裕層だけに限られるため値崩れもしにくいので、資産保護にもってこいなのです。
クレディ・スイス の Global Wealth Report 2022 によると、2021年に世界の個人資産総額は 12.7% 増加し、推定 463.6 兆米ドルに達したと言います。個人資産が増加したことで、各種資産への投資も増えます。そこで気になるのは投資先の変化です。
バンク・オブ・アメリカが2022年に行った、富裕層の動向調査によると、21歳から42歳の投資家は、43歳以上の投資家に比べ、資産に占める株式の割合が激減しています。両世代の資産における株式の割合は、43歳以上の投資家が55%なのに対し、21歳から42歳の投資家はわずか25%でした。一方で、不動産への期待値はいずれの世代でも高く、「成長への期待が最大の資産は?」という問いに対し、不動産は両世代で2位にラインクイン。ちなみに、43歳以上の1位は国内株式(41%。不動産は31%)、21歳から42歳の1位は暗号通貨(29%。不動産は28%)でした。42歳以下の世代で顕著な株式離れが見られるのに対し、不動産は世代間の差がほとんどなく、まんべんなく高い関心が寄せられるのが分かります。
サザビーズのレポートでは、これらのレポートを引き合いに出しながら、個人資産増と若年層の不動産への関心の高さを、高級不動産の将来的な需要を支えるポイントとして紹介しています。
同レポートでは、そのほか地域ごとの富裕層がどんな不動産に関心を寄せるかや、メタバースやSDGsなどのトレンドワードと不動産の関係について分析しています。ご関心のある方はぜひ原文に目を通してみてください。
オープンハウスグループでは東京・名古屋・大阪で、またオンラインで様々なセミナーを開催しております。
・ハワイ不動産
・アメリカ不動産
・国税OB税理士が語るセミナー
・法人の減価償却としてのアメリカ不動産など随時開催しております。
など随時開催しております。
日程・詳細はこちらから
関連記事