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最近、「日本円の価値が下がる(下がっている)」という声を、経済学者や投資家の口から聞く機会が増えました。円安が進むという意味合いで言われることもあれば、日銀破綻を懸念するような悲観論も。日本円の未来に関する論調の温度感は、専門家ごとにバラツキがあるようです。
さまざまな主張が飛び交う中で、個人投資家はどのような声を信じたら良いのでしょうか。注目すべきポイントは「日本円の価値が下がる」という声は聞こえるけれど、「価値が上がる」と主張する人はほとんど見かけないということ。経済の専門家が一様に右肩下がりの未来を予測しているという点は一致しているところです。
そこで今回は、日本円の価値が下がると言われる理由について、行き過ぎた悲観論ではない客観的な2つの事実をご紹介します。
今、世界は「カネ余り」の状態にあると言えます。これは文字通り、お金が余っている状態のことで、さらに言えば、そのお金の所有者が「お金以外のものに変えたい」と使い道を探しているような状態のことを指します。
お金以外のものに変えたい人が増えるのは、そのまま持っていても増えないし使い切れないという理由が一般的です。現在進行形で価値が高まっている不動産や株、金、暗号通貨などに持ち替えることで、お金として持つより資産を増やすことができます。そういう人が増えている状態が、カネ余りを引き起こすのです。
そして現在、そのカネ余り傾向が深刻化しています。その大きな原因の一つとして富の偏りが挙げられます。最も裕福な1%の人々が、世界の富の80%以上を保有していると言われるように、世界的に富の偏りが進んでいるのです。
ですが、一人の人間の使えるお金の額には限界があります。何千億、何兆という金額の資産は、どんなに贅沢をしようと使いきれるものではありません。必然的にそれらの資産は投資に回されることになり、貨幣が吐き出されて他の金融商品に持ち替えられることになるのです。
また、コロナ禍の影響もあり、各国政府が大規模な財政出動を行い、大量の紙幣を発行したことにより、市中に流通する紙幣の絶対量が増えたことも要因に挙げられます。もちろん目の前の困難を乗り越えるためのお金として有効活用された資金もありますが、余裕のある人の手に渡って、使途なく持て余された資金も多いはずです。
こうした状況が、世界中の国で起こっているのが現状であり、余ったお金を手放し、金融商品に変えようというトレンドが強く存在するため、あらゆる資産の価値が徐々に下がっているという事実が指摘できるのです。
人口増加は、なにより大きな経済成長要因になります。ある国で人口が急激に増える時期は、若く安い労働力が大量に存在するため、生産性が高まり、価格優位性も生まれ、産業の発展スピードが加速します。労働者は同時に消費者でもあるため、内需も増えて経済も活性化。こうした時期を「人口ボーナス期」と呼びます。日本で言えば高度経済成長期がそれに当たります。
この人口ボーナス期を二度経験した国は歴史上、存在しません。単に人が多ければいいわけではなく、生産も消費も活発な現役世代の人口比率が重要であるため、一度高齢化が進んだ国が、再び人口ボーナス期を経験するのは理論上不可能だと言われています。
つまり、日本はすでにボーナスをもらい終えている国なのです。一方で、世界にはこれからボーナスを経験する国がまだまだ多く残されています。つまり、日本経済が人口ボーナス以外の要因で伸びたとしても、それ以上の速度で成長する国がたくさんあるということ。ゆえに、日本の経済力は相対的に失速し、その通貨である日本円の影響力も弱まっていくと予想されるのです。
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