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住宅ローン金利が高水準にも関わらず、不動産価格が上昇し続けている理由

作成者: 海外不動産Insights 編集部|2023.09.06

【この記事のポイント(Insights)】

  • 住宅ローン金利が高まると購買需要が下がるはずだが、米国不動産の価格は下落するどころか上昇している。
  • 需要の減少以上に供給が少ないことが原因で、現在の住宅在庫はパンデミック前の3分の2。
  • 住宅価格下落のシナリオはいくつか考えられるが、いずれもすぐに実現する可能性は低い。

住宅ローン金利が上昇するなか、不動産価格が下がらないのはなぜ?

利上げ開始以降、上昇を続ける住宅ローン金利。30年固定住宅ローン金利は2022年11月にピークとなる7.08%を記録した後、6%台前半までジリジリと下がりましたが、最近になって再び上昇し、7月6日時点で6.81%に。2020年末から2021年始にかけて3%を下回っていたことを考えれば、依然として非常に高い水準にあることが分かります。

アメリカに暮らす人々はこの金利差をより実感しており、現在は住宅を買うときではないと考える人が多数派です。つまり、住宅需要が下がっているわけですが、にもかかわらず住宅価格は下がるどころか上昇しています。23年5月の中古住宅価格の中央値は39万6100ドルで、前月比2.6%上昇。新築住宅価格の中央値は41万6300ドルで、前月比3.5%の上昇でした。

需要が減っているにもかかわらず、価格が上昇しているのはなぜなのでしょうか?

住宅在庫がパンデミック前の3分の2に

最大の理由は、供給の減少です。需要の減りを上回るペースで供給が減っているため、価格が下がらないのです。不動産売買プラットフォーム『Realtor.com』の中古住宅の掲載件数は、パンデミック前の20年2月時点では約92万8,000戸だったのに対し、23年6月時点で 61万4,000戸と、約3分の2に激減しています。

おもしろいのは、供給を減らしている原因も住宅ローン金利の上昇である点です。パンデミック下の超低金利で住宅ローンを組んだ人は、現在もその金利でローン支払いを行っています。今、住宅を売りに出すということは、その低金利ローンを手放し、新居のために高金利でローンを組み直すということにほかなりません。

それでも、住宅価格が下がっているのであれば買い替えを検討する人もいるでしょうが、むしろ価格が上がっている状況。買い替えるメリットがほとんどないため、売り手がおらず在庫が増えないのです。

住宅価格が下がるシナリオは?

6月の雇用統計、特に賃金上昇率を受け、経済学者の多くは利上げ再開の可能性が高いと発言しています。少なくとも、利下げを予想する声は全くなく、したがって住宅ローン金利も現状キープがさらに上昇すると考えるのが自然でしょう。そうなると、在庫はますます減り、価格水準も上昇圧力が働くと考えられます。今後、住宅価格が下がるシナリオは、以下のパターンが考えられます。

1.手頃な新築物件が大量に供給される。

バイデン政権は2021年以降、深刻な住宅不足を解消するために、建設業者と住宅購入者双方への補助金制度を複数発表しています。サプライチェーンや労働力の問題で思うように物件供給が増えていないのが現状ですが、計画が進み、中低価格の新築物件が増えれば、中古物件も含めた住宅価格が落ち着くと考えられます。 ただし、現在のところ、近い未来に実現する可能性は低いシナリオです。

2.住宅ローン金利が大きく下がる

住宅ローン金利が多く下がり、パンデミック下の超低金利との差が縮まれば、買い替えを検討する家主が増えるはずです。物件在庫が増えることで、需給のバランスが是正され、価格が落ち着く可能性があります。ただし、ローン金利が下がれば購入需要も増えるため、むしろ価格が上昇する可能性もあります。 上述の通り、当面利下げはなさそうですので、このシナリオも近い未来に実現することはなさそうです。

3.米国の景気が著しく後退する

景気が著しく後退した場合、超低金利ではあってもローン支払いができない家主が出てきます。そうなれば、好条件を手放すことになろうとも、住み替えを検討せざるを得ませんから、売り物件は増加します。不況下では、買い手側の予算も潤沢ではなくなっているため、物件価格は大きく下がると考えられます。 このシナリオは、FRBが金利政策を失敗すればありえない話ではありません。この場合は米国不動産以外の資産もダメージを受ける可能性が高いので要注意です。

 

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