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2022年5月18日、宅地建物取引業法(宅建業法)の改正法が施行されました。今回の改正によって、賃貸や売買といった不動産取引に必要な重要書類の電子化が可能になりました。
これまでの不動産取引においては、書面での重要事項説明書などの交付が義務付けられていましたが、PDF等の電子データで契約を締結することができるようになり、宅地建物取引士の押印なども不要になります。
ちなみに書類の電子化に先駆けて、契約にあたっての重説(重要事項説明)はすでに2021年3月からビデオ通話などオンラインで行うことが認められており、今回の改正によって契約手続きの全行程をオンラインで完結可能になりました。
しかし、賃貸にせよ売買にせよ、高額なやりとりになることはもちろん、大量の書類が発生していた従来の不動産契約。果たして本当に、契約をオンラインだけで完結させることは可能になるのでしょうか?
不動産における電子化の流れはここ数年で進んできましたが、これまで部分的な電子化解禁に留まっていたため、懐疑的になる人も多いかもしれません。しかし、事実上は売買・賃貸ともに契約に関するすべての手続きをオンラインで完結できるようになった、といって良いでしょう。
ローンを組んだり、所有権の移転に伴う登記をしたりなど、一部はまだオンラインで完結できない部分はあるものの、契約を完了させるところまでは家から一歩も出ず、ハンコひとつ押さずに不動産を手に入れることができます。
とはいえ、すべての不動産会社で契約の完全電子化がすぐ可能になるかと言うと、なかなか難しい部分もありそうです。完全オンライン化に対応するには、システムへの投資や人員のスキルアップなども必要になるため、一部の企業を除けば、完全電子化へのスムーズな移行に対応できない企業の方が現時点では多数派だと考えられます。
もちろん、対面や郵送での書類のやりといったオフラインでの手続きも引き続き有効です。「書面でのやりとりの方が自分にとってはやりやすい」という方は、従来のやり方で契約を交わすこともできますし、逆に対面や郵送での書類のやりとりにわずらわしさを感じていた方は、ネットでの契約手続きの“完全対応”を明確に打ち出している不動産会社を利用するのがベターです。
日本に先駆け、アメリカでは数年前から不動産のオンライン取引が活発化しており、少なくとも2016年時点ですでに不動産テック企業のOpendoorがオンライン取引プラットフォームの提供を行っていました。
オンラインでの不動産取引が日本よりも普及しているアメリカですが、日本の不動産投資家が“日本の不動産会社”を通してアメリカの物件に投資を行う場合、多くのケースで日本国内における不動産取引と同様に、書面でのやりとりが発生していました。その一方、オープンハウスは2022年2月から国内不動産に先立って、アメリカ不動産投資における手続きのフルオンライン化を実現。2022年5月までの数ヶ月間、大きなトラブルもなく安定した運用を行っています。
オンライン化したことでのメリット・デメリットを比較すると、やはり書類を電子化することのメリットの方がはるかに大きく、契約書中の文言を確認したいときにすぐに検索できたり、コスト面を気にすることなく改定版などを作ることもできたりするため、お客さまの契約内容への理解度・納得度の向上に貢献している面もありそうです。
しばらくの間は、不動産契約の完全オンライン化に対応可能な会社は少ないかもしれませんが、実際に体験するとやはり利用者側のメリットは大きいため、完全オンラインでのやりとりの方が主流派になる未来は、そう遠くないかもしれません。
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