「土地」の価値変動と「建物」の価値変動以外の不動産価格変動トリガーを6つ紹介。
① 賃貸相場が押し上げる(再開発など)
② 金利が下がれば価格は下がる
③ 銀行のローン審査基準が下がれば価格は上がる
④ 法律が変わって価格が上がる
⑤ 売り物件が減ると価格は上がる
⑥ 経済が良くなると価格が上がる
前回は価格変動トリガーを6つ紹介のうち、最初の3つをご紹介いたしました。
今回は、残り3つについて、詳しくご紹介させていただきます。
不動産購入を優遇するような法律ができることでも不動産価格は上がります。わかりやすい例は「住宅ローン減税」や「住宅エコポイント」ですね。住宅ローン減税の場合、買い主に最大で400万円ほどの恩恵があります。その分、購入意欲が高くなりますし、高額の商品でも手が届くようになります。つまり売買価格が上がるということです。
反対に、優遇策が廃止される場合は価格低下につながります。
③でお伝えした需要増による価格上昇と同じく、需要と供給のバランスにより起こる価格変動です。物件が減るということは供給が減るということですので、価格上昇につながります。
2021年の日本ではまさにその現象が起きていると言えます。不動産の所有者のなかには高齢者もたくさんいます。コロナ禍の今、内覧や売買交渉などで多くの人と接触したくないため、彼らは売り控えします。一方で、リモートワークの浸透で、若い世代は持ち家志向が高まっています。供給不足と需要増が同時に起こっており、不動産価格が上昇する条件が揃っていると言えます。
最後は「経済」との関係性です。賃貸には時期的なオンシーズン、オフシーズンが存在します。これは賃貸には会社の異動や学校の入学、卒業が3月に偏るからです。一方、売買については、オンシーズンは特にありません。季節要因ではなく、どちらかというと経済が良い時は繁忙期となり、経済が停滞すると不動産売買も停滞しがちです。
これはシンプルに、経済がよくなると買い手に余裕が生まれるからです。分かりやすいのは株式投資をしている人。経済が上向きの場合、投資の勝率も上がります。株式等を行なっていない一般のサラリーマンも、給料やボーナスが増えます。いずれも、手元資金が増えるため、不動産市場が盛り上がります。反対に経済が悪くなると保守的になり、買い控えが起こり不動産業は停滞します。
不動産業界で働く人がよく受ける質問に、「オリンピックが終わったら不動産は下がりますか?」や「消費税が上がったら不動産は下がりますか?」などがあります。しかし、これらは不動産相場にはほとんど影響しません。オリンピックはごく狭いエリアで、ごく短期的に行われるイベントなので、住宅需要や住宅関連の法律には影響を与えないからです。消費増税も数%の変動ですから、金利や税制優遇で生まれる数百万円の恩恵に比べるとごく小さな影響しかありません。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、不動産価格の上昇や下落は、国によって強くコントロールされています。「② 金利が下がれば価格は上がる」「③ 銀行のローン審査基準が下がれば価格が上がる」は銀行の施策ですが、銀行の動きを後ろでコントロールしているのは国です。 「④ 不動産購入を優遇する法律ができると価格が上がる」「⑤ 経済が良くなると価格が上がる」に関しても、コントロールできるのは国です。
不動産取引で幸せになるための一番の近道は、政治に関心を持ち、良き政治家を選び、良き国を作ってもらうことなのかもしれませんね。
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