不動産をすでにお持ちの方にとっても、今後購入を考えられている人にとっても、「今後、不動産価格はどう変動するのか?」は大きな関心事項でしょう。
特に、ローンを組む方にとっては非常に大事なポイントです。なぜなら、ローンの担保は、その不動産自体だから。つまり、購入時の不動産価値を担保にして、銀行から借り入れるということです。ローン残高の減る速度より、不動産価値の下降速度が上回れば、その差額が「負債」になります。反対にローン残高は安定的に減り、不動産価格が上がってくれれば、その差額が「資産」となります。
価格変動は主に、「土地」の価値変動と「建物」の価値変動で構成されていますが、今回はそれ以外の価格変動トリガーを6つ紹介します。
① 賃貸相場が押し上げる(再開発など)
② 金利が下がれば価格は下がる
③ 銀行のローン審査基準が下がれば価格は上がる
④ 法律が変わって価格が上がる
⑤ 売り物件が減ると価格は上がる
⑥ 経済が良くなると価格が上がる
不動産売買の価格を下支えしているのは投資家の購入する価格です。投資家は「利回り」を高めたいため、購入価格と家賃のバランスをシビアに判断します。
例えば、利回り5%を購入基準にしている投資家がいたとします。賃料7万円で貸せる物件の場合、7万円×12ヶ月÷5%=1680万円(物件価格)までであれば、彼にとって購入したい物件です。ここで、賃料相場が上がって同じ物件が9万円で貸せるようになったとすると、9万円×12ヶ月÷5%=2160万円(物件価格)まで出してもいいと考えるでしょう。
同じ投資家が、同じ物件を買う場合でも、480万円の価格差が生まれました。このように、家賃が高く見込める状況であれば、投資家たちは高値で不動産を購入するようになります。そして、投資家が高く購入し始めると、市場全体が盛り上がり、物件価格が上昇します。
※再開発エリアの物件価格が上昇するのは、街が便利になることで住みたがる人が増え、家賃が上昇することを見越した投資家たちの資金が集まるからなのです。
金利が下がると、同じ金額を借りていても、毎月の返済金額が減ります。そのため、高額な物件にも手が届くようになります。例えば毎月の支払いが15万円で物件を探している方の場合、金利が1%だと約5300万円、金利が0.5%だと約5800万円の物件がそれぞれ購入できます。0.5%金利が下がったことで同じ予算で、10%ほど高額な物件が買えるようになりました。
このように、金利が下がると高額物件を買いやすくなるため、大きな価格変動トリガーとなるのです。実際、ここ10年で実行金利(住宅ローンが実行される金利)は0.5%ほど下がり、それにともなって物件価格が上昇しています。
ローンの審査基準が緩和されれば不動産を購入できる人の総数が増えます。つまり需要が増え、結果として価格が上昇するという単純な仕組みです。
審査基準緩和の具体例として、「転職1年でも貸します」「個人信用情報に多少傷がついていても貸します」等と謳う銀行が現れており、以前は住宅購入が難しかった人々がマーケットに参入してきています。今後さらなる基準緩和、例えば「既存の借入があっても貸します」「大学生でも貸します」などが実現したとすると、さらに購入可能な層が増え、市場全体を押し上げることになると考えられます。
逆に審査基準が厳しくなれば、購入可能者の総数が減り価格は下がります。
今回は不動産価格が変動する6つのトリガーの3つをご紹介致しました。次回後編で、残り3つをご紹介しますので、乞うご期待ください。
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