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title: ハイヒール禁止の超規制都市「カーメル・バイ・ザ・シー」で、不動産開発を巡る紛争勃発
description: "カリフォルニア州の小さな海辺の町、カーメル・バイ・ザ・シー（Carmel-by-the-Sea）。
観光地として知られると同時に、「ハイヒール禁止」「住所表記なし」「チェーン店不可」といった数々のユニークな規制で有名です。住民たちはこの厳しいルールを誇りとし、町のブランドを守り続けてきました。"
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# [ハイヒール禁止の超規制都市「カーメル・バイ・ザ・シー」で、不動産開発を巡る紛争勃発](https://wm.openhouse-group.com/column/ハイヒール禁止の超規制都市-カーメル-バイ-ザ-シー-で-不動産開発を巡る紛争勃発)

 作成者: [海外不動産Insights 編集部](https://wm.openhouse-group.com/column/author/海外不動産insights-編集部)｜2025.09.15

【この記事のポイント（Insights）】

- カーメルは「ハイヒール禁止」「住所なし」など独自規制で景観と文化を守る小都市として知られる。
- ある大富豪がカーメルで実行しようとした複合開発計画は委員会承認を得たが、住民の猛反発で市議会が延期、開発者は撤退も示唆。
- 保存を重視する住民と供給を訴える開発者の対立は、全米的課題「保存か供給か」を象徴している。

カリフォルニア州の小さな海辺の町、カーメル・バイ・ザ・シー（Carmel-by-the-Sea）。

観光地として知られると同時に、「ハイヒール禁止」「住所表記なし」「チェーン店不可」といった数々のユニークな規制で有名です。住民たちはこの厳しいルールを誇りとし、町のブランドを守り続けてきました。

しかし今、この町で外部の大富豪が手がける開発計画をめぐり、住民と開発者の対立が激しくなっています。米国ではよくある構図に見えますが、今回のケースは全国的な注目を集めています。その背景をたどると、「保存か供給か」という普遍的な問いが浮かび上がってきます。

### 厳しい規制で住環境と文化を守る街、カーメル・バイ・ザ・シー

カーメル・バイ・ザ・シーは、サンフランシスコから車で約2時間半、人口わずか4,000人ほどの小都市です。白い砂浜と松林に囲まれた景観は美しく、20世紀初頭から芸術家や作家が移住して「芸術家の街」として知られるようになりました。クリント・イーストウッドが市長を務めたことでも有名です。

この街が独特なのは、景観や文化を守るための規制が徹底している点です。たとえば：

- ハイヒール禁止条例：5cm以上の細いヒールを履くには市役所で許可証が必要。木の根で歩道がでこぼこしており、転倒防止が目的とされています。
- 住所や郵便受けなし：町に番地は存在せず、住民は郵便局留めで郵便物を受け取ります。
- 交通信号・街灯なし：景観維持のため、信号も駐車メーターも設置されていません。夜は真っ暗になり、住民は懐中電灯を持ち歩きます。
- **チェーン店禁止**：スターバックスやマクドナルドなど、全国チェーンの出店は禁止。商店はすべて独立系です。

こうした規制は単なる“奇抜さ”ではなく、芸術家や文化人が築いてきた街の雰囲気を守るための仕組みです。日本にたとえるなら、歴史的建造物を守る京都や鎌倉、あるいは田園調布や芦屋のように住民ルールでブランドを維持してきた高級住宅地に近いと言えるでしょう。

### 6年の議論を経て市の委員会の賛同を得た開発計画が、住民の猛反対でストップ

そんな「規制の街」で、いま大きな開発紛争が起きています。仕掛け人はモナコ出身の大富豪、パトリス・パストール氏です。世界中で不動産開発を手がけてきた人物で、地元ではホテルや歴史的建築を修復してきた実績もあります。

今回の計画「JB Pastorプロジェクト」は、商業スペースと住宅を組み合わせた複合施設で、その中には20戸の長期賃貸住宅も含まれていました。Carmelのように住宅価格が240万ドルを超える街では、長期賃貸は貴重な存在です。

この計画は6年にわたって修正が重ねられ、市の計画委員会では最終的に全会一致で承認されました。ところが、いざ実行に移ろうとした段階で住民の猛反発を受けます。

住民の主張は「駐車場が不足する」「ゾーニング規制に違反している」「街の景観が壊れる」。11名の住民が控訴し、市議会は採決を延期する事態となりました。

パストール氏はこの決定を受けて「不公平だ。われわれは歓迎されていない」と憤り、投資撤退を示唆。町の未来を揺るがす問題へと発展しています。

### 愛着を重視する地元民 VS 合理性で動く大富豪の構図に全米が注目

米国では開発紛争は珍しくありません。NIMBY（Not In My Back Yard＝うちの裏庭にはいらない）の合言葉のもと、集合住宅や商業施設への反発は全国で見られます。

それでもカーメルのケースが全米で報じられたのは、以下の理由によります。

1. 外部からやってきた大富豪投資家というドラマ性。
2. 人口4,000人規模の町ながら、住民の自治意識が極めて強いこと。
3. 高騰する住宅価格と不足する賃貸物件という、全米共通の課題を凝縮していること。

つまりこれは、単なるローカルニュースではなく、米国の都市が抱える課題を象徴する事例なのです。双方の言い分をまとめると以下です。

住民の声：街の価値を守るために

住民にとって、Carmelは単なる居住地ではなく「芸術家の街」としてのブランドが命です。  
「規制を外部資本のためにねじ曲げれば、街の一体性が壊れる」という危機感が強くあります。

反対派の住民からはこんな声が聞かれます。  
「この街を一人の大富豪のやりたい放題にさせるわけにはいかない」  
「歴史と景観を犠牲にしてまで新しい建物はいらない」

これは日本の田園調布で“高層マンション建設”が持ち込まれたときに予想される反応と重なります。ブランドを守るための強い住民意識が背景にあるのです。

開発者の声：住宅不足に応えるはずだった

一方のパストール氏は、「カーメルは住宅が高すぎ、長期賃貸が不足している。私の計画はその問題を緩和するものだった」と主張します。  
さらに、過去10年間で1億ドル以上を投資してきた実績を挙げ、「承認を得ているのに住民の声で覆されるのは不当だ」と反発しました。

開発者から見れば、これは地域に雇用と住宅をもたらす「合理的なプロジェクト」に過ぎなかったのです。

### 保存か、供給か。日本の都市も他人事ではいられない開発のジレンマ

この構図は「どちらが正しいか」では片づけられません。

- **保存派**：景観とブランドを守ることが長期的に街の価値を高める。
- **開発派**：住宅不足という現実に対応しなければ街は衰退する。

どちらも合理的な論理を持ちながら、両立は難しいのが現実です。

カーメルでの対立は、「保存か供給か」という普遍的な問いを私たちに投げかけています。日本でも鎌倉や田園調布のように、ブランドと開発のバランスが問われる場面は少なくありません。住民自治と外部資本、保存と供給という相反する価値が衝突したとき、どちらを選ぶか――その選択は世界の多くの都市にも当てはまります。

「ハイヒール禁止」のユニークな規制都市で起きたこの騒動は、街の未来をどう描くべきかを私たちに問いかけているのです。

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