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全米不動産事業者協会によると、2021年の住宅販売価格の中央値は前年比で16.9%上昇。例年の住宅価格の上昇率は1桁台半ばで推移していたことを考えると、驚くべき上昇率だったと言えるでしょう。
こうした不動産価格の上昇は、2022年も引き続き継続するのでしょうか? 米国の業界紙や関係者の意見をもとに今後の見通しを紹介します。
最初に結論を述べてしまうと「2021年ほどではないが、今後も不動産価格の上昇傾向は継続する」と見る人が圧倒的多数を占めます。その根拠は1970年代以来とも言われる“供給の少なさ”によるもの。家を買いたいという需要に対し、売りに出されている物件数が、圧倒的に足りていない状況が存在するからです。
需要と供給のバランスが崩れている理由は多数あり、例えば賃貸派だったミレニアル世代がパンデミックをきっかけに家を持ちたがるようになったというようなライフスタイルの変化などが挙げられます。
また物件オーナーが感染リスクのある内覧を避けると同時に、物件を売りに出すこと自体を控えている傾向があること。投機家がキャピタルゲインを目当てに手頃な価格のスターターホームを買い占めていることなど、さまざまな理由が重なり合って、コロナ禍以降、住宅在庫は常に不足状態に陥っています。
今後、住宅ローン金利が上昇することで需要の減少も予想されますが「住宅の在庫不足はすぐに解消されるものではない」というのが、業界関係者たちの大方の見立てのようで、こうした状況からも物件価格が引き続き上昇することは容易に予想できます。
それでは、上昇率としては具体的にどの程度のものになるのでしょうか? 具体的な予測数値については、かなりのバラつきがあるようです。
現在程度の上昇率がしばらく続くと考えているのがゴールドマン・サックス。同社は2021年10月から2022年12月末までの15ヶ月間で16%の上昇率を予想。2021年の16.9%と同程度とする根拠は、やはり需要と供給のバランス。圧倒的な供給不足はそう簡単に解消されるものではないというのが、予想の根拠のようです。同社は2023年内にさらに6.2%上昇するとも予想しています。
また不動産データベースを運営するZillow社もこれに近い数字を予想しており、2021年9月末から2022年9月末までの12ヶ月間で13.6%の上昇を予想しています。
一方、政府系金融機関のファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)は上記2社の予想を下回る上昇率を算出しています。ファニーメイは2021年の第4四半期から2022年の第4四半期までに7.9%の上昇を予想。この数字の根拠はインフレ対策による金利上昇で、住宅ローンも30年固定金利の平均値が3.1%から3.4%に上昇するという見立てのもと、需要が減少することで2021年と比べて価格上昇にやや歯止めがかかることを想定しています。
さらに急激な鈍化を予想したのは、不動産および金融を扱う新進気鋭の企業Core Logic社。同社は2021年11月末から2022年12月までの期間で1.9%の上昇率にとどまると予想。同社チーフエコノミストのフランク・ノーザフト氏は「金利が高くなると、特に過大評価されている地元市場において、買い手の手頃な価格の課題が激化する」と発言。ファニーメイと同様に金利の上昇を主な理由に住宅価格の鈍化を予想しつつ、現在の価格の異常性も指摘しています。
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