今週は、いま現在も被害が拡大している大規模山火事と、最新のロサンゼルス不動産市況についてお知らせいたします。
さる8月15日にカリフォルニア州にて火災活動が活発化して以来、一か月以上延焼が続いている地域もある状況です。
現在報告されている情報によると、これまでに26名が死亡、7,000棟以上の建物が被害を受けています。今年、カリフォルニア州で山火事により焼失した面積は約14,500㎢にのぼり、東京都の6倍以上の面積にあたります。また現地メディアの報道では、鎮火には2か月近くかかるとの見込みであるとのことです。
さらに公益事業会社「PacificGas and Electric Company」は今後の山火事に対する予防策として、カリフォルニア州の一部で送電線への電力供給を一時的に遮断すると発表。約65,000の住宅と企業に影響を及ぼすと予想されています。今回の大規模な山火事は、電力供給停止等の二次災害を現地の人々に与えており依然として予断を許さない状況となっております。
カリフォルニア州には弊社が物件を取り扱うロサンゼルスが位置しております。現地管理会社によると、同地域においては山火事による直接的な被害は出ていないとのことです。
さて次に、カリフォルニア州ロサンゼルスの不動産市況についてお知らせいたします。 本エリアは、今年1月に発表されたSchroders’ Global Cities Indexにて世界1位のスコアを獲得するなど、投資家や不動産所有者にとって最高の市場の一つとして考えられています。
そんなロサンゼルスの住宅市場は、新型コロナウイルス感染拡大による外出禁止令により4月、5月には冷え込みが見られたものの、6月以降は回復傾向にあります。
2020年8月のロサンゼルス都市圏の住宅取引額は前年同月比4.4%増と、昨年を超える水準まで回復しました。価格中央値は61万5,000ドルに達し、前年同月比12.8%、7月と比較しても中央値は4.2%上昇しました。中古物件の平均販売期間は2.3か月と、タイトな在庫状況となっています。
不動産検索サイト「Zillow」によりますと、ロサンゼルス都市圏の住宅価格は2015年以降の5年間で約30%上昇しており、今後1年間でさらに約5.2%上昇すると予想されています。
8月から連続的に発生している山火事で深刻な被害を受けているカリフォルニア州。山火事被害からの復興が直近の課題といえそうです。一方、不動産市況においては緩やかに回復しており、今後の予想においても良い指標が見受けられます。
以上、田力優がお伝えいたしました。
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