賢者の投資術 Powered by OPEN HOUSE

大統領選のある年はアメリカ不動産購入のチャンス?(後編)

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2020.09.07

Highlights

  • 大統領選の年、不動産市場が落ち込むのには「先行きの見えなさ」が影響
  • トランプ氏とバイデン氏、両候補は不動産政策に関しても正反対
  • どちらが勝利してもアメリカ不動産市場への影響はある?

大統領選の年に不動産市場が落ち込みがちな理由とは?

前編ではアメリカ大統領選が行われる年に、アメリカ不動産市場の販売数や住宅価格が下落する傾向にあるという事実をご紹介しました。

ではなぜ、大統領選の年にそのような変化が生じるのでしょうか?

国を主導するリーダーが変われば、それに伴いさまざまな政策・制度も当然変わります。ましてアメリカのような大国の指導者が変わるともなれば、よりラディカルな変化が起こると考える人が増えても不思議ではありません。それは不動産市場についても同じです。

つまり、誰が大統領になるか明確な判断がつかないうちは、不動産に関する政策や税制にどのような変化が生じるかも見当がつきにくいため、積極的なアクションを取る消費者が減るであろうことが推察されます。大統領が決まる11月以降、不動産市場に回復傾向が見られるのもそれを裏付けていると言えます。大統領選の年に不動産市場が停滞傾向になる背景には、こうしたことが大きな要因としてありそうです。

 

不動産政策に関しても対立する両候補

現職のトランプ大統領と対立候補の民主党代表ジョー・バイデン氏。2人はそれぞれ、不動産政策にどのようなスタンスを取っているのでしょうか?

自身も不動産王として名を馳せ、多数の不動産資産を保有するトランプ大統領。そのようなバックグラウンドもあってか、不動産業界に対しては税制優遇措置を容認するなどかなり“甘め”なスタンスです。そうした優遇措置は、自身の不動産開発を有利に進めるためではないか、と見る向きもあります。

対してバイデン氏は、トランプ大統領の不動産業界に対する優遇措置を強く批判しており、これまでの税制優遇措置を打ち切るような大胆な方針も打ち出しています。バイデン氏は、それによって見込まれる増収分を育児や高齢者のケアといった福祉分野に充てる見通しを示しており、トランプ大統領との明確な対決姿勢を明らかにしています。

一方、トランプ大統領再選の場合も、不動産業界に影響がないとは限りません。懸念とされているのが、中国との貿易摩擦の影響です。2018年頃からトランプ氏は中国製品に対して関税を強めるなど強硬な姿勢を示しており、国内市場から中国企業を締め出すような動きも見せつつあります。

しかし不動産市場において、中国の投資家はここ数年、アメリカ国内の住宅用物件の最大の買い手でもありました。外国からのアメリカの住宅用不動産への投資総額で、2018年には中国は全体の約25%を占めており、2位のカナダの9%に大きな差をつけています(※1)。トランプ氏の中国に対する強気な姿勢が今後、不動産市場における中国人投資家の動向にも影響を及ぼす可能性は高いと考えられます。

 

裏を返せば物件購入のチャンスと捉える見方も?

今回の大統領選を見ても、不動産業界に対して対照的なスタンスを取る両候補がしのぎを削る構図になっています。どちらが勝つにせよ、不動産市場に影響を及ぼすファクターは無数に見受けられるため、判断の難しさから、大統領選が終わるまで消費者が静観に努めようと考えるのも何ら不思議なことではありません。不動産市場そのものも新型コロナウイルスの影響で例年よりも見通しが難しいものになっている現在、そうした傾向はなおさらだと言えるでしょう。

大統領選で不動産の販売数や価格が落ち込む一方、逆から見ればそれを「買い手市場」と捉えてチャンスとみなす人もいます。物件の購入を視野に入れている人は、大統領選後の値上がりを見越して今から積極的なアクションに動くか、それともまだ少し様子を見ておくか、一考の価値はありそうです。

 

(※1)Market Watch “The Chinese purchase more U.S. residential real estate than buyers from any other foreign country, but Trump’s trade war may change that”
https://www.marketwatch.com/story/chinese-investors-buy-more-us-residential-real-estate-than-any-other-country-but-trumps-trade-war-could-soon-end-that-2019-05-15#:~:text=In%202018%20dollars%2C%20Chinese%20buyers,in%20U.S.%20residential%20real%20estate.&text=Of%20the%20284%2C000%20properties%20sold,were%20bought%20by%20Chinese%20nationals

 

関連記事
強制退去の手続き再開 新型コロナウイルスによる失業増でアメリカ不動産市場への影響は?

堅調なインフレのもとで右肩上がりのアメリカ不動産価格

「都心離れ」「郊外志向」がキーワードに。新型コロナの影響で価値を高めるアメリカ郊外不動産

郊外物件の圧倒的な売り手市場が到来? 新型コロナウイルスがアメリカ不動産にもたらした変化とは

大統領選のある年はアメリカ不動産購入のチャンス?(前編)

まずはお気軽に資料請求
エリアや物件の最新情報、シミュレーションサンプルなど無料プレゼント!
アメリカ不動産の利点やリスクが分かる、動画セミナーも限定配信!
>>資料請求はこちらから<<