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アメリカ富裕層の実質税率はわずか3.4%!? 驚きの調査結果が確定申告記録から明らかに

作成者: 海外不動産コラム 編集部|2021.08.25

Highlights

  • アメリカ富裕層上位25名の所得税率はわずか3.4%という調査結果が
  • Amazon創業者ジェフ・ベゾスの“真の税率”は1%程度
  • 富裕層への課税方法そのものの見直しが必要になっている?

所得上位者25名が支払った税金は3.4%に過ぎない?

収入が多い人ほど課せられる税率が高くなる「累進課税」は、先進国を中心に多くの国で採用されている課税方式です。アメリカの税制度でも累進課税方式が適用されており、所得金額に応じて10%、12%、22%、24%、32%、35%、37% の7段階の税率が設定されています(2021年6月現在)。

独身者か既婚者か、といった区別でも支払う金額に差はありますが、独身者の場合は所得が518,401ドル(約5,700万円)以上、既婚者の場合は622,051ドル(約6,800万円)以上で、最高税率である37%の所得税を支払わなければなりません。

Amazon創業者のジェフ・ベゾスや、世界的投資家のウォーレン・バフェット、テスラやスペースX創業者のイーロン・マスクなど、アメリカの所得トップ層を占める名だたる企業家・投資家にも当然、この税率は適用されます。

しかし、アメリカの所得上位者25名が支払った所得税を税率に換算すると、わずか3.4%に過ぎなかったという驚きのニュースが報じられ、注目を集めています。

 

超富裕層の“真の税率”は1%にも満たない

この報告は、アメリカの非営利ジャーナリズム団体「ProPublica」が、歳入庁の確定申告書データを独自に入手し、調査結果を明らかにしたものです。

アメリカにおける所得上位者25名の資産は 2014 年から 2018 年の5年間で合計4,010億ドル(約44兆円)増加しているといいます。しかし、ProPublicaの調査結果によると、確定申告記録に残っている彼らの所得納税額は5年間で136億ドル(約1.5兆円)程度。一見、莫大な金額かのように見えますが、全体のパーセンテージに換算すると3.4%に過ぎません。

個別に見てみると、ジェフ・ベゾスの資産は2014年から2018年の間に推定990億ドル増加しています。しかし、その間に申告された所得は42億2,000万ドル。納税総額は9億7,300万ドルとなり、これはジェフ・ベゾスが支払った“真の税率”が1%程度であることを意味します。

ウォーレン・バフェットは同期間で243億ドルもの資産を得ましたが、申告された所得は1億2,500万ドル程度。納税総額は2,370万ドルとなり、なんと真の税率は0.1%程度にしか過ぎません。

いずれも、本来、彼らが支払う必要がある最高税率37%の所得税とは大きくかけ離れた数字となっています。最上位の富裕層ほど、彼らの所得と比べてごくわずかの額しか税金を支払っていない事実が明らかになりました。

 

富裕層への課税方法そのものの見直しが必要に?

では、彼らは一体どのように所得税の支払いを回避しているのでしょうか?

1つは、寄附金控除を利用したもので、ウォーレン・バフェットやメディア王のマイケル・ブルームバーグはこの方法を取っています。2020年に約29億ドル分の株を慈善団体に寄付したバフェットは、「増加し続ける米国の債務をわずかに削減するよりも、慈善的に資金を提供する方が、社会に役立つと信じている」と自身のスタンスを表明しています。

また、あえて借金をするという裏技的な手法も。例えばイーロン・マスクは、577億ドル相当のテスラ株を担保に、巨額の個人ローンを組んでいます。借金は収入ではないため、当然ですが所得としてはカウントされません。それどころか、金利分は経費に計上できるため、場合によってはマイナス所得にすることさえ可能だといいます。

所得格差が広がるアメリカでは、こうした富の不平等が大きな政治問題にまで発展しています。富裕層への税率についてもさまざまな議論がありますが、所得上位層がここまで節税できてしまうのであれば、その課税方法そのものを見直すべき時期にきているのかもしれません。

 

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