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アメリカで今、労働者不足が深刻化しています。
新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、飲食店や小売業を中心に多くの企業が労働者の雇い止めやレイオフを行い、失業者が増加しました。ワクチンの迅速な普及などにより、パンデミックは徐々に落ち着きを見せ始めていますが、それに伴い経済活動も再び活性化し始めています。
企業も雇用を再開し始めるなど、状況は好転しているかのようにも見えますが、現在、多くの企業がある問題に直面しています。求人募集に対して、想定よりも人が集まっていないというのです。
4月には約100万人が職を得ることができるとの予想もありましたが、実際にはおよそ27万人程度に留まっているという報告も。労働者不足の背景には、一体どのような要因があるのでしょうか。
労働者不足の大きな要因として考えられるのが、求人数と求職者数のギャップです。
バイデン大統領は経済対策の柱として、失業保険給付の上乗せなどを決定。その他、国民全体への給付金配布などにも積極的な姿勢を見せています。野党である共和党の一部議員からは「給付金や失業保険の拡大によって、働くよりも失業状態でいるほうがいいと考える人が増えている」と、求職者数が伸び悩んでいる大きな要因として、バイデン政権の方針を批判する声も挙がっています。
こうした主張が正しいかはともかく、現状、すぐに働こうと思わない人が多いのは一面的には事実です。新型コロナウイルス感染への懸念が拭いきれない、または感染から復調できていなかったり、家族の介護に追われている。あるいはパンデミック期間に自分のキャリアに対する考えが変わったなど、再就職を足踏みするようなさまざまな理由が存在することは想像に難くありません。
こうした状況のなか、企業は労働者にアピールするために、賃上げやボーナス支給を行わざるを得なくなっており、実際に局所的な賃金上昇が発生しています。
賃金上昇の流れを受けて、懸念されている事態がひとつあります。それがインフレの発生です。賃金を上げた企業は、その分、消費やサービスの価格を釣り上げて全体の帳尻を合わせようとします。その結果、インフレが起きてしまうのではないか、というのです。
実際、米国の消費者物価指数は 2021年4 月に前年比4.2%上昇。これは2008 年 9月以来の大幅な上昇となりました。
この状況に対し、ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアム・ダドリー総裁は「こうした上昇傾向は、今のところ一時的なものである可能性が高い」と発言。あくまでこのインフレはパンデミックの影響によるものであり、混乱が収まりつつある今、長期的なインフレ率は2%を超える程度に収まるだろう、というのがダドリー氏の主張です。
ダドリー氏の発言通りの未来になれば、このインフレ率は許容範囲内であり、この先も米ドルの価値は下落することなく保たれることが予想されます。しかし、ダドリー氏に代表されるこうした見方を楽観的だと指摘する投資家も少なくありません。
当然ですが、米ドルの価値はアメリカ不動産の価値にも直結します。アメリカ不動産の投資家の皆さんは、今後のインフレ率の行方をしっかり追いかけておきたいところです。
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