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ジョージア州アトランタ周辺はオープンハウスが力を入れて仕入れを行っているエリアですが、オープンハウスがこの都市に注目している理由の一つに、優秀な教育機関の存在があります。
まず挙げられるのがジョージア工科大学です。ジョージア工科大学は、すべての工学関連分野の学士過程が全米トップ5にランクインする優秀な大学で、総合評価でも全米29位に入ります。有名な卒業生のひとりにジミー・カーター元大統領がいます。
特筆すべきはジョージア工科大学は公立(州立)だということです。アメリカの名門工科大学といえば、他にマサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学などが有名ですが、いずれも私立大学です。アメリカの私立大学は莫大な学費が掛かりますが、ジョージア工科大学は公立のため、学費は比較的安く、その点でも人気があります。アメリカでは学生ローンを利用して大学に行くのが一般的ですが、その負担が少ないというメリットがあるほか、もともと資力のある家庭の子女の場合でも、学費を抑えることでその後の起業資金に使うということもできるわけです。
ジョージア工科大学と並んで有名なのは総合評価が全米21位に入るエモリー大学です。ハーバード大学・コロンビア大学・イェール大学・プリンストン大学などのいわゆるアイビー・リーグと肩を並べる質の高い大学として“隠れたアイビー”などとも称される大学で、経済学・商学・医学の分野の評価が高く、特に医学・看護では全米トップレベルです。
昨今の新型コロナウイルス感染症に関する報道でよく名前を聞くアメリカの『疾病管理予防センター(CDC)』は、このエモリー大学に隣接し、疫学研究の重要な拠点になっています。また、エモリー大学にはMBAが取得できるゴイズエタ経営大学院というビジネススクールもあり、こちらも地元の企業と連携したカリキュラムなどが行われています。
この他にもアメリカ公民権活動の指導者であるマーティン・ルーサー・キング牧師が卒業したモアハウス大学のほか、ジョージア州立大学、ケネソー州立大学、グィネット・テクニカル大学など70もの大学がアトランタ周辺には存在します。
それらの大学はSTEM(科学・技術・工学・数学)分野のプログラムに力を入れているところが多く、STEM分野の学位取得者が多くなっています。
ここまで、アトランタとその周辺には優秀な大学が多く、しかも特にテック系の分野に強いことをご紹介しました。しかし、これはただの学園都市であることを意味するわけではありません。以前『アトランタの魅力その1 優良企業が集まる都市』の記事でもご紹介したように、アトランタに多いテック系企業に、これらの大学から優秀な人材が供給されているのです。これによって、アトランタのテクノロジー産業は急速に成長中であり、今後しばらくは発展が予想されます。
また、ジョージア工科大学、エモリー大学をはじめとする各校では、サイバーセキュリティの専門家やフィンテック業界のためのカリキュラム、インターンシップ、社会人向け短期教育コースなど、地域の産業のニーズに合ったプログラムの提供も行っています。
もう一つ注目すべきポイントは、スタートアップとの関わりです。アトランタでは大学も積極的にテクノロジー系スタートアップの起業や育成、誘致に関わっているのです。
ジョージア工科大学と市が協力して開発した『テック・スクエア』には、数ブロックにわたり大手企業のイノベーションセンターの他、大学が運営するインキュベーター(起業を支援する機関)があり、100社以上のスタートアップが集まっています。この『テック・スクエア』とその周辺は、企業のオフィス、研究施設、商業施設、住宅地などの開発も進み、経済成長に貢献しているのです。
このほかにも、アトランタに多いスタートアップには、テック系の優秀な大学が人材を供給しています。
このようにテック系を中心とした優秀な大学が、アトランタの産業とその成長と密接に関わり、大きく支える存在になっています。
それらの存在が優良企業の発展を促し、スタートアップの誕生と成長が雇用を生み出し、不動産の需要を高めているわけです。今後も経済成長が大いに期待できるアトランタは不動産投資にとって好ましいエリアであり、そこがオープンハウスがアトランタに注目している大きな理由のひとつです。
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