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新型コロナウイルスの流行をきっかけにリモートワークが世界的に普及し、自宅からビデオ会議に参加するシチュエーションも日常的になりつつあります。
ビデオ会議用のツールはさまざまなものがリリースされていますが、知名度・利用者ともに頭一つ抜けている感があるサービスが「Zoom」です。2020年度に入ってからの利用者数の伸びには目を見張るものがあり、2020年4月には「1日の利用者数が3億人を突破した」という公式発表がありました。しかし、この発表はいささか誇張されていたようで、後から「1日の利用者数」ではなく「1日の“会議利用者”数」と訂正されています(※1)。
とはいえ、コロナ禍によってZoomの利用者が世界的に増加していることは間違いありません。そして今、こうしたZoom人気の影響が不動産業界にも意外な形で現れています。
(※1)“Zoomが「1日3億人の利用者がいる」という公式表記をコッソリ修正したと発覚、誇張表記を行った疑惑が浮上”,GIGAZINE,2020-05-01
https://gigazine.net/news/20200501-zoom-doesnt-have-300-million-users/
アメリカの不動産業界で今、「Zoom Room」という新しいワードがトレンドになりつつあります。
一見、ダジャレのような言葉ではありますが、これは文字通りZoomでビデオ会議を行うのに最適な部屋のこと。壁紙やロケーションが美しい“Zoom映え”する部屋のある家が人気を博しており、物件選びの重要なポイントになりつつあるというのです。Zoom向きの部屋がある家は今や、ワインセラーや大きな浴槽がある家よりも実用的な売り文句になると考える不動産業者も中にはいるようです。
こうした傾向はデータにも如実に現れています。世界中の検索キーワードのトレンドを調べることができるツール「Google Trends」でアメリカにおける「Zoom Room」の検索状況を調べてみると、2020年3月ごろから検索数が劇的に増加していることが見て取れます。
在宅勤務やリモートワークはニューノーマル時代の働き方として、コロナ収束後も私たちの生活に定着していくかもしれません。それはつまり、Zoom Roomもまた一過性のブームでは終わらず、家選びの新しい基準として定着することを意味します。今後、建設されるコンドミニアムや高級マンションでは、かつてのトレーニングジムや室内プールのような付加価値の高い住宅設備として、魅力的なZoom Roomを売りにする物件が増えていくかもしれません。
しかし、なぜそこまでZoom Roomの人気が高まっているのでしょうか?
「わざわざZoom専用の部屋を用意しなくても、リビングなどでやれば十分なのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、自宅の共用スペースからビデオ会議に参加してみると、さまざまな難点があることに気づきます。雑音や生活音が入らないよう常に気を配る必要がありますし、背景に余計なものが映らないよう毎回苦心している人も多いようです。また幼い子どものいる家庭やペットを飼っている家庭では、予期せぬ“乱入”にも気をつけなければいけません。
2017年、ある映像が世界的に話題となりました。韓国・釜山大学教授のロバート・ケリー氏が、BBCのインタビューに自宅からオンラインで答えていたときのこと。インタビュー中に幼い子どもたちがケリー氏の自室に乱入、子どもたちを連れ戻そうと慌てる母親の姿も映像に映り込み、ケリー氏の背後で繰り広げられるユーモラスな光景がYouTubeやSNSを中心に大きな話題となったのです。
当時は微笑ましい光景として人々に受け止められた映像ではありますが、こうした事態は多くの人にとって、もはや他人事ではないということです。リモートワークが日常的なものとなった現在、こうした事態もまた日常的に起こり得るものとして、多くの人がリアルな実感を持って理解した。Zoom Roomの需要増加からは、そのようなことも読み取れます。
では、具体的にどのような部屋がZoom Roomに適しているといえるのでしょうか? 後編では理想のZoom Roomを手に入れるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
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